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教育環境、進学環境が違いすぎる
そんな暮らしのなかで、気になり始めたのが子どもたちの進路です。
「子どもたちはまだ小学生ですが、近所の人の話を聞くと不安しかありません」
拓也さんが気にしているのは、進学をめぐる環境です。近所には塾がなく、学校以外で学ぶ機会を確保するにも工夫が必要です。オンラインの学習サービスはあるものの、自分で計画を立てて勉強することが基本になるといいます。
「塾に通うのが当たり前だったので、不安ですよね」
通学距離も気がかりです。
「このあたりの子は、高校まで1時間から1時間半、なかには片道2時間かけて通学しています。冬は雪もありますし、大変な思いをして通っています」
大学受験も、東京で暮らしていたころとは勝手が違います。
「受験のたびに上京するわけにもいかないので、1週間、2週間くらい滞在して受験に臨むといいます。雪の状況によっては飛行機が飛ばないこともあります。義兄は本番に間に合わないと、鉄道を乗り継いで2日かけて東京に行って受験したとか……。進学を考えると、やはり東京よりハンデが大きいと感じます」
もちろん、北海道に住んでいるから希望する進路を選べないわけではありません。オンラインで情報を集めることもできますし、本人の努力次第で道を切り拓くことも可能です。ただ、塾や模擬試験の選択肢、学校や大学との距離、受験時の交通事情など、地域によって格差があるのは事実です。
文部科学省『令和7年度学校基本調査』を基にした都道府県別の集計では、大学(学部)への進学率は東京都の77.6%に対し、北海道は53.9%と、20ポイント以上の開きが生じています。進学率だけで教育環境のすべてが決まるわけではないものの、大学や塾の選択肢、進学情報に触れる機会、受験時の移動負担など、地域による条件の違いを実感させられる数字といえます。