総務省「家計調査(家計収支編)」の2025年平均結果によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、1ヵ月の消費支出が可処分所得を約4万2,000円上回っています。そんな年金生活のなかでも、孫への出費を惜しまなかった72歳女性。しかし、楽しみにしていた運動会への参加を息子の妻から断られ、さらに息子からも厳しい言葉を告げられます。いったい何があったのでしょうか。
お義母さん、運動会は遠慮してください…〈年金月25万円〉72歳祖母、孫の写真をSNSに大量投稿。息子夫婦をさらに怒らせた「まさかの一言」 (※写真はイメージです/PIXTA)

孫の運動会は、年に一度のお楽しみ

埼玉県内で暮らすトシエさん(72歳・仮名)は、夫(74歳)と2人暮らし。夫婦ともに仕事は引退しており、月25万円ほどの年金と預貯金で生活しています。近くに住む長男夫婦には、5歳になる娘がいます。トシエさん夫婦にとって初孫で、目に入れても痛くないほどかわいがってきました。

 

「息子が小さいころは私も働いていましたから、保育園の行事にはなかなか参加できなかったんです。今は時間もあるし、孫の成長を見られるのが本当に楽しみで」

 

誕生日やクリスマスにはプレゼントを贈り、会うたびにおもちゃや洋服を買うことも。昨年1年間で孫に使ったお金は、お年玉なども含めると10万円ほどになったそうです。年金生活のため、決して家計に余裕があるわけではありません。それでも夫婦にとって、孫のための出費は惜しくないものでした。

 

特に楽しみにしているのが、秋の運動会です。昨年は夫婦そろって観覧に出かけ、かけっこやダンスを披露する孫の姿を何枚も写真に収めました。帰宅後も写真を見返しながら、夫婦で話が尽きなかったといいます。

 

今年も運動会の季節が近づき、トシエさんは長男の妻に連絡しました。

 

「今年の運動会はいつ? おじいちゃんも楽しみにしているのよ」

 

ところが、返ってきたのは思いもよらない言葉でした。

 

「お義母さん、今年は遠慮してください」

「去年もお願いしましたよね?」

最初は何かの聞き間違いかと思ったトシエさん。運動会の観覧人数に制限があるのかと尋ねましたが、そうではありませんでした。理由は、昨年の運動会でトシエさんが撮影した写真にありました。

 

「去年、お義母さんがSNSに運動会の写真をたくさん投稿されましたよね。ほかのお子さんの顔も名前も、はっきり写っていたんです」

 

トシエさんは、日ごろからSNSを楽しんでいます。旅行先の風景や食事の写真、趣味の園芸などを投稿し、友人と交流するのが日課でした。

 

孫の運動会でも、かけっこやダンスの様子を撮影し、その日のうちに十数枚の写真をSNSに投稿しました。

 

「孫がこんなに大きくなりました」という文章とともに掲載した写真には、孫だけでなく、同じクラスの園児たちも写っていました。しかも、園児が胸につけていた名札の文字も読み取れる状態でした。投稿文には保育園の名前も書いていたため、通っている園と子どもの顔、名前が結びつく内容になっていたのです。

 

実は昨年、投稿を見た長男の妻から、写真を削除してほしいと頼まれていました。

 

「ほかのご家庭のお子さんも写っていますし、名前がわかる写真は載せないでください」

 

そのとき、トシエさんは言われた写真を削除しました。ただ、注意されたことに納得できなかったといいます。

 

「悪いことをしているつもりはなかったんです。運動会なんて、昔から家族みんなで写真を撮っていたでしょう。SNSも友達に見せるためのものですし、そんなに神経質にならなくても、と思ってしまって」

 

その後も相変わらず、トシエさんは孫と出かけた際の写真などをSNSに投稿していました。長男の妻からすれば、昨年の注意が十分に伝わっていないように見えたのでしょう。

 

「去年もお願いしましたよね? 園には、お子さんの顔や名前を公開されたくないご家庭もあります。ほかの保護者の方に迷惑をかけるわけにはいかないんです」

 

さらに長男の妻は、運動会で撮影した写真をSNSに投稿しないよう、保育園からも案内されていたことを改めて説明しました。

 

「今年も同じことが起きたら困るので、申し訳ありませんが、運動会には来ないでください」

 

トシエさんは、そこまで言われるとは思っていませんでした。