(※写真はイメージです/PIXTA)
実母は「あなたも休みなさい」
一方、遠方に住む実母(64歳)は、娘の体を気遣っていました。出産前から手伝いを申し出ていましたが、カンナさんが夫婦で育児に慣れたいと伝えると、その意思を尊重。冷凍できるおかずや日用品を宅配便で送ってくれたそうです。
「母は『赤ちゃんが寝ているときは、あなたも休みなさい。電話の返事もしなくていいから』と言ってくれるんです。孫の写真を送ると喜んでくれますが、催促されたことはありません」
さらに「食事を作るのが大変な日に使って」と、宅配食などに利用できるギフトカードも贈ってくれました。
「母だって初孫に会いたいはず。でも、自分が会うことより、私が休めることを優先してくれる。その違いを感じました」
「どうせ家にいるんでしょう?」義母の一言で限界に
決定的な出来事が起きたのは、退院から約3週間が経過したシルバーウィーク最終日のことでした。義母から再び「今度の週末も赤ちゃんを見に行きたい」と連絡があったのです。カンナさんは「しばらく休ませてほしい」と夫に伝え、訪問を断ってもらいました。ところが義母から直接電話がかかってきたのです。
「どうせ家にいるんでしょう? 私たちのことは気にしなくていいから。赤ちゃんの顔を見られれば、それでいいのよ」
カンナさんの我慢は限界に達しました。
「家にいるのは、休みを楽しんでいるからじゃありません。出産したばかりだからです。もう来ないでください。私がいいと言うまでは、うちには来ないでほしいです」
義母は「そんなつもりで言ったんじゃないのに」と電話を切ったそうです。カンナさんは夫にも、今後は自分の了承なしに誰も招かないよう伝えました。
「夫には『実のお母さんならよくて、うちの母さんはダメなの?』と言われました。でも、そういう問題じゃないんです。私の母は私を休ませようとしてくれる。その違いをわかってほしかったんです」
来客にかかった費用や準備の負担も説明すると、ユウタさんは謝罪。今後、義実家との連絡は夫が責任を持つことになりました。
「産後の恨みは一生」
厚生労働省によると、労働基準法では原則として産後8週間、女性を就業させることが禁止されています。産後6週間を経過し、本人が希望して医師が認めた場合に限り、就業が可能です。また、総務省「令和3年社会生活基本調査」では、6歳未満の子どもがいる夫婦の家事関連時間は、夫が1日平均1時間54分、妻が7時間28分でした。家事や育児などの負担が妻に偏っている実態がうかがえます。
カンナさんの場合、育児や家事に加え、親戚の来訪に伴う飲食費の負担や準備、片付けまで引き受けていました。問題は、金銭的な負担だけではなく、産後の体調や本人の意思が後回しにされていたことです。
「産後の恨みは一生」という言葉があります。出産直後の大変な時期に、誰が支えてくれたのか、反対に誰が負担を増やしたのか。その記憶は、長く残ることがあります。赤ちゃんの誕生を祝うつもりの訪問が、家族の関係にしこりを残してしまうこともあるのです。
【注目のセミナー情報】
【資産防衛】10月14日(水)
約30年ぶりの世界的金利変動が生み出した
新たな「お宝保険」の全貌
【実物資産】10月24日(土)
「日本刀投資」は他の実物資産と何が違う?
希少性・鑑定・保存状態…「価値」を見極め方を解説
【不動産オーナー向け】10月29日(木)
<会員限定セミナーの特別版を一般公開>
金利上昇局面の今こそ知っておきたい!
「不動産×金融資産」の最適バランスと投資税務