子どもや孫の近くに住むことは、親子双方にとって安心につながります。しかし、近くにいるからこそ、頼み事が増えて負担になることも。親が近居を勧めた場合、どこまで協力するべきなのでしょうか。老後の時間を大切にしたい親と、子育てを支えてほしい子。双方の期待が食い違った事例から、家族との付き合い方を考えます。
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家族だからこそ、協力できる範囲を話し合う
茂さんは、娘の不満を一方的に責めることはできませんでした。自分の言葉がきっかけで近居を選んだ以上、期待に応えたい気持ちもあります。
一方、妻とも話し合い、今後は無理のない範囲で協力する方針を決めました。
「困ったときは相談してほしい。でも、毎週末は無理だ。月に1回くらいなら、予定を調整できるよ」
愛さんは納得し、夫とも相談。毎週の預かりを前提にするのはやめ、都度、相談するようにしました。現在は、茂さん夫婦の予定を確認したうえで孫を預けるようになったといいます。
近居による子育て支援は子世代にとって頼もしい一方、支援が日常化するとシニア世代の生活や健康面の負担になることがあります。
国立社会保障・人口問題研究所『第7回全国家庭動向調査』(2022年)によると、近居する既婚の娘に対し過去1年間に「孫の世話」をした母親(有配偶女性)の割合は61.3%。また同研究所『第16回出生動向基本調査』でも、第1子が3歳になるまでに祖母から子育ての手助けを受けた割合は57.8%と半数を超えています。
善意や好意に甘え切るのではなく、親世代の生活や体力を尊重し、協力できる範囲や頻度を具体的に話し合っておくことが、良好な関係を保つ鍵となります。