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娘「私のせいにしないで」、夫婦が初めて黙った
陽菜さんは、泣きながら話しました。
「ずっと聞いてた。私の進路の話になると、いつも喧嘩するじゃん」
「私のためにお金が必要とか、私のために働いてるとか、そういうこと言わないでよ」
そして、2人にこう続けました。
「私のせいにしないで。もう2人が喧嘩してるの、聞きたくない」
誠さんも智子さんも、言葉が出ませんでした。2人にとっては、教育費や進路をめぐる意見の違いでした。しかし、陽菜さんにとっては、自分の将来を話すたびに両親の関係が悪化する状況だったのです。
その夜、誠さんと智子さんは初めて、陽菜さんを交えずに夫婦で話しました。これまで2人は、娘のために何が必要かを話しているつもりでした。しかし実際には、教育費、家事、仕事への不満を、娘の進路をきっかけにぶつけ合っていた部分もありました。
その後、夫婦は娘の前で言い争わないことを決めました。進学費用についても、必要な金額を洗い出し、それぞれがどう負担するのかを具体的に話すようにしました。
陽菜さんのことはさておき、正直、夫婦関係は冷え切っていると感じています。離婚に至っても仕方がない――お互いに考えていますが、結論はまだ出ていません。ただ、陽菜さんの「お願いだから離婚して!」という言葉を聞いたことで、2人は初めて、夫婦の問題が娘にも影響していたことに気づいたといいます。
国立社会保障・人口問題研究所『2022年生活と支え合いに関する調査』によると、18歳未満の子がいる世帯の63.9%(とても重い18.9%、やや重い45.0%)が教育費の支出に負担感を示しています。また文部科学省『令和5年度子供の学習費調査』が示すように、進学に伴う教育費負担は小さくありません。
子どもの進路を巡る夫婦間の対立は、知らず知らずのうちに子どもの心を傷つけることがあります。お互いの負担感を可視化し、具体的な話し合いを重ねることが大切です。