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夫婦喧嘩を聞いていた17歳娘が突然…
「俺だって、家族のために働いているんだよ」
東京都内で暮らす会社員の佐藤誠さん(52歳・仮名)は、妻の智子さん(49歳・仮名)と口論になるたび、そう言っていました。
誠さんの年収は約850万円。智子さんはパートで働きながら、家事のほとんどを担っています。結婚20年。高校2年生の娘・陽菜さん(17歳・仮名)がいます。
この日、夫婦喧嘩の原因になったのは、陽菜さんの大学進学でした。
「私立も考えているなら、早めにお金のことを考えないと」
智子さんがそう話すと、誠さんは「まだ決まってもいないのに、そんなに心配する必要ある?」と返しました。
智子さんには、誠さんが娘の進路を自分事として考えていないように感じられました。一方、誠さんは「教育費のことばかり言われても、こっちは仕事で精いっぱい」と不満を募らせていました。
話し合いは、いつしか以前から抱えていた不満のぶつけ合いになります。
「家のことも陽菜のことも、私が全部考えているじゃない」
「俺は何もしてないって言いたいの?」
声が大きくなったところで、誠さんが口にしました。
「もう無理だろ。俺たち、離婚したほうがいいんじゃないか」
その瞬間、階段から声がしました。
「もう限界、お願いだから離婚して!」
2人が振り返ると、そこには陽菜さんが立っていました。
厚生労働省『令和7年(2025)人口動態統計』によると、2025年の離婚件数は17万9,073組。昨今、減少傾向ではあるものの、離婚そのものは珍しい出来事ではありません。ただ未成年の子どもがいる家庭では、夫婦だけでなく子どもの生活にも影響を及ぼします。夫婦が「自分たちの問題」と考えていることが、子どもにとってはそうではないケースもあります。