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まずは2,000万円の動きを確認する
現在、翔太さんは祖母の預金について、金融機関に取引履歴を確認できないか問い合わせています。
通帳に記載された現在の残高だけでは、そこに至るまでのお金の動きまでは分かりません。大きな出金があったとしても、それだけで不正な使途だったと判断できるわけではなく、医療費や生活費、本人による贈与など、さまざまな可能性があります。
だからこそ、翔太さんは「2,000万円が消えた」と結論を出す前に、まず事実を確認したいと考えています。
「祖母が何に使ったのか、誰かが引き出したのか、それが分からないと話が進まないと思っています」
では、祖母が「5,000万円ある」と話していた預金と、実際に確認された約3,000万円。その差額2,000万円はどうなったのでしょうか。現時点では、その行方はまだ分かっていません。
遺産分割協議は、相続人全員が合意して成立します。いったん合意して遺産分割協議書に署名・押印すれば、その内容に沿って手続きが進むことになるため、内容に疑問がある段階で急いで合意しないことも重要です。
話し合いで解決できない場合には、家庭裁判所の遺産分割調停を利用する方法もあります。調停では、相続人それぞれの主張を確認しながら、遺産の内容や分け方について合意を目指します。
翔太さんは今も、祖母の預金の動きを確認することを優先しています。
「伯母は僕が子どもだと思ってバカにしているんですよ。お金が欲しいというよりも、バカにされたままにはいかない、という気持ちが大きいです」
最高裁判所『司法統計』によると、家庭裁判所で新たに受け付けられた遺産相続(遺産分割調停)の事件数は、2025年が1万7,297件。160万件ほどの相続案件のうち、1.7万件ほどが、家庭裁判所に解決を求める形で揉めています。
相続では、財産がどこに、いくらあるのかを把握すること自体が難しいケースも少なくありません。家族の誰かが管理していた預金や不動産などが、相続を機に問題になることもあります。相続人同士で情報を共有し、財産の内容を生前から整理しておくことが、こうしたトラブルを防ぐ一歩になります。