十分な年金が見込める世帯であっても、熟年離婚によって一人暮らしになれば、年金分割や生活費の二重負担によって資金計画は容易に崩壊します。事例をご紹介しましょう。※事例の登場人物はすべて仮名です。
後悔しかありません…年金月22万円の65歳元公務員夫、定年退職日に妻から「熟年離婚」を突き付けられたワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

熟年離婚がもたらす「単身生活」の現実

内閣府『令和7年版高齢社会白書』によると、65歳以上の一人暮らしの人は増加傾向をたどっており、令和7年時点における65歳以上人口に占める一人暮らしの割合は男性18.3%、女性25.4%と推計されています。この背景には、配偶者との死別という避けられない事由だけでなく、熟年離婚や長年の別居といった家族のあり方や価値観の変化が大きく影響しています。

 

「退職後は夫婦で穏やかな老後を過ごせる」という一方的な思い込みは、長年のすれ違いを放置してきた世帯において、突如として破綻を迎える大きなリスクを秘めています。

 

しかし、長年連れ添った末に熟年離婚を選択し、シニア期に単身生活へ移行することには厳しい経済的試練が伴います。総務省『家計調査(2025年)』によると、65歳以上の単身無職世帯における可処分所得(手取り収入)は月平均約11.8万円であるのに対し、日常の消費支出は月平均約14.8万円にのぼり、毎月約3万円の赤字が発生している実態が浮き彫りになっています。

 

本事例のイサオさんのように元公務員として月22万円規模の年金を受給できる立場であっても、離婚による年金分割や財産分与、そして別居に伴う住居費・光熱費などの二重負担が発生すれば、一人暮らしのやりくりは決して楽なものではありません。

 

長年連れ添った夫婦であっても、「養っている」「自分だけが家事を頑張っている」といった慣れ合いから相手の負担や感情を無視し続ければ、破綻へのカウントダウンは静かに進んでいきます。「金銭面で不自由させていないから大丈夫」「言わなくても伝わる」といった過信を捨て、日ごろから対等なパートナーとして感謝や対話を積み重ねていくことが、老後の破綻を防ぎ穏やかな第二の人生を迎えるための唯一の土台となり得るでしょう。

 

【注目のセミナー情報】​​​

【資産防衛】10月14日(水)オンライン開催
約30年ぶりの世界的金利変動が生み出した
新たな「お宝保険」の全貌

 

【実物資産投資】10月24日(土)オンライン開催
「日本刀投資」は他の実物資産と何が違う?
希少性・鑑定・保存状態…「価値」を見極め方を解説