※写真はイメージです/PIXTA
成長とともに祖父母から離れていく孫
「孫のために貯めるのは、もうやめました」
そう話すのは、東京都内で同い年の妻と暮らす佐藤隆さん(71歳・仮名)。夫婦の貯蓄は約2,800万円、年金は月32万円あります。大きな出費がない限り、貯蓄を取り崩すことはなく、むしろ増える一方。以前は、そのすべてを孫の将来のために残していました。
隆さん夫婦には、娘夫婦と2人の孫がいます。上の孫が小さいころは、週末になると遊びに来るのが当たり前でした。誕生日には欲しいものを買い、食事に行けば孫の好きな店を選ぶ。夏休みには一緒に旅行にも出かけました。
「孫が喜ぶ顔が見たかったんです」
夫婦にとって、孫の成長を見ることは大きな楽しみでした。ところが、孫が中学生になると、少しずつ状況が変わります。部活動が始まり、友達との予定も増えました。祖父母の家に来る回数は減り、以前のように「次はいつ遊ぶ?」と聞かれることもなくなったといいます。
ある休日、予定がなくなった隆さんは、妻にこう言いました。
「孫が来ないと、やることがないな」
妻も笑いながら、「私もそう」と答えました。
自分たちの生活を振り返ると、孫のためにお金を貯める、孫の予定を優先する、孫が喜ぶものを買う――「夫婦の楽しみ」の中心に必ず“孫”がいました。
内閣府『令和7年度 高齢者の生活と意識に関する国際比較調査(第10回)』によると、日本の高齢者が生きがい(喜びや楽しみ)を感じる時として、「子供や孫など家族との団らんの時」と答えた人は53.1%にのぼり、最も高い割合となりました。また、子供や孫との理想の付き合い方については、「ときどき会って食事や会話をするのがよい」が59.6%を占めています。