相続において、故人が生前に隠していた秘密が死後に発覚し、遺された家族が泥沼のトラブルに巻き込まれるケースは少なくありません。本記事では山村法律事務所の代表弁護士・山村暢彦氏が、尊敬する父の葬儀後、実家の遺品整理中に「法的に有効なある書類」を発見した55歳男性の事例をもとに、「公正証書遺言」が持つ効力について解説します。
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「父さん、嘘だろ…?」尊敬する父の葬儀後、年収750万円・55歳息子が絶句。実家の書斎で見つけた〈最悪の置き土産〉【弁護士が解説】
尊敬する父の訃報…急いで帰省した年収750万円・55歳息子
埼玉県内の持ち家で暮らすサトシさん(仮名・55歳)は、中堅メーカーで営業職として働き、年収は約750万円です。
数ヵ月前、サトシさんは母親からの電話で父・シュウゾウさん(仮名・享年82歳)の訃報を知り、急いで実家へ帰省しました。
「父のことは一人の人間として本当に尊敬していました。寡黙な人でしたが、朝から晩まで一生懸命に働いて、専業主婦の母と私を育ててくれたんです」
しかし、葬儀を終えて実家の片付けをしていたとき、サトシさんが長年抱いていた父親への尊敬の念は、思いもよらない形で打ち砕かれることになります。
実家の書斎で見つけた「最悪の置き土産」
シュウゾウさんは生前、地元で小さな工場を経営していました。家族思いで、「お前たちに迷惑はかけないように、あとのことはちゃんと準備してあるから」というのが口癖でした。
しかし、シュウゾウさんが愛用していた書斎の引き出しの奥から見つかった「ある茶封筒」によって、裏の顔が明らかになります。
封筒に入っていたのは、法的な効力を持つ「公正証書遺言」でした。
「中身を読んだとき、目の前が真っ暗になりました。母でも私でもない、まったく見ず知らずの女性の名前が財産の受取人として書かれていたんです」
遺言書には、実家の土地建物と預貯金を含む全財産の半分を、隣県に住む「アケミ」という女性に遺贈すると記されていました。さらに、同封されていた書類から、その女性との間に20代の「隠し子」がいることまで発覚したのです。