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病床でも「金、金、金――」ついに長男から絶縁宣言
転機は、田島さんが78歳で病気になったことでした。入院が必要になり、長男が久しぶりに病室を訪れます。
見舞いに来た長男は、必要な着替えや日用品をそろえ、手続きについても確認しました。ところが、田島さんは礼を言うどころか、不満を口にします。
「持ってきたものが違う。俺は金を払わんぞ」
さらに、長男が置いていった見舞金についても、「これだけか」と言い放ったといいます。
その瞬間、長男の表情が変わりました。
「もう、いい加減にしてくれよ」
病室で声を荒らげた長男に、田島さんは言い返します。
「親に向かって何だ、その態度は」
すると長男は、長年抱えてきた不満を吐き出しました。
「金、金、金、金――本当にうるさい」
「そんなに金が大切なら、死ぬまで一人で抱えていればいいよ。もう俺たちには関わらないでくれ」
それが、親子の最後の会話になりました。
退院後も、長男が自宅を訪れることはありませんでした。
孫の写真も送られてこなくなりました。
誕生日や正月にも連絡はありません。
資産はあるし、年金もあります。介護サービスや家事代行など、必要な費用を支払うこともできます。
「金があれば、一人で十分だ」
長男から絶縁されても、まだそのスタンスを崩しませんでした。
内閣府『令和7年 人々のつながりに関する基礎調査』によると、同居人がいない男性単身者で孤独感を「しばしばある・常にある」と回答した割合は12.8%に上ります。さらに、日常生活で困った時に頼れる人が「いない」とする層では、この強い孤独感を持つ割合が25.1%(「いる」場合は2.7%)へと急増することが明らかになっています。
「金があれば十分」と関係性を断ち、孤立を選ぶ高齢期の生き方は、いざという時に深刻な危機を招きます。経済的余裕が人間関係の軽視を誘発するという高齢期の落とし穴。本当の安心には金銭だけでなく、他者とつながる「関係性」の維持が不可欠です。