国土交通省の『令和6年度 住宅市場動向調査報告書』によると、住み替えによって「住まいのダウンサイジング」をするシニア世代が増えています。広すぎる家を持て余し、長年住み慣れたマイホームを手放し、コンパクトな賃貸住宅などに移っているというのです。事例を通して、その決断をする背景についてみていきましょう。
「俺の実家がなくなった!?」46歳息子、4年ぶりの帰省連絡で知った“衝撃の事実”…年金月23万円・70代両親が〈庭付き3LDKの一戸建て〉を手放し、〈1DKの団地〉に引っ越した理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

思い出よりも「健やかな老後」を選んだ両親に、気づかされた息子

「相談しなかったのは悪かった。だけど、いつも忙しそうにしているお前に余計な心配をかけたくなかったんだ。家を売ったお金で老後資金にも余裕ができた」

 

夫婦で月23万円の年金があり、家賃の安い団地で老後資金にも十分余裕ができたというリョウゾウさん。両親の姿を見たヨウスケさんは、自分の無関心ぶりを恥じました。二人は自分たちの未来を見据え、「終活」をしていたのです。

 

「そうか……ごめん、俺これからはもう少し頻繁に顔を出すよ」

 

ヨウスケさんは、狭いながらも使い勝手のよい部屋で穏やかに笑い合う両親の姿を見て、思いを新たにしました。

 

国土交通省の『令和6年度 住宅市場動向調査報告書』によると、住み替えによってコンパクトな住居(民間賃貸等)を選ぶシニア世代は多く、住み替え前後の延べ床面積は平均63.8m2から49.7m2へと約14m2縮小しています。

 

さらに、共同住宅や賃貸住宅へ移り住んだ高齢者世帯のうち、約半数から6割(既存の共同住宅で48.4%、民間賃貸で60.6%)を、夫婦二人暮らしや一人暮らしなどの「高齢者のみの世帯」が占めています。

 

子どもの独立を機に、広い一戸建てから1DKの団地へと「住まいのダウンサイジング」を図ったリョウゾウさん夫妻。長年住み慣れた家を手放すことは決してネガティブな選択ではなく、高齢期を安全に生きるための前向きな決断になり得ることを、ヨウスケさんは両親から教えられたのでした。

 

〈参考〉

・国土交通省『令和6年度 住宅市場動向調査報告書』

 

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