(※写真はイメージです/PIXTA)
世帯年収2,200万円…子どもを持たずに自由を謳歌した12年間
都内の大手広告代理店で働くミサトさん(仮名・41歳)は、12年前にレンさん(仮名・43歳)と結婚して、現在は2人で暮らしています。
ミサトさんの年収は約1,000万円、外資系企業に勤めるレンさんの年収は約1,200万円。世帯年収は2,200万円と、経済的に恵まれた夫婦でした。
出会った当時、20代後半だったミサトさんは、学生時代の同級生たちが次々と結婚し親になっていくのを見て、「自分もいずれは自然とそうなるもの」だと思い描いていました。
しかし、レンさんは「親になる自信がない。夫婦二人きりで、気ままに生きていきたい」と、あえて子どもを持たずに共働きで生きる人生(DINKs)を強く希望しました。
ミサトさん自身も仕事にやりがいを感じており、子育てでキャリアを中断することにためらいがあったのも事実です。ミサトさんはキャリアを優先し、子どもを持たない人生に腹を括って結婚しました。
「この人となら、子どもがいなくても充実した人生になると思えたんです」
仕事はやりがいに満ち、休日には高級レストランでの食事や長期休暇の海外旅行を楽しむなど、自由にお金と時間を使い、公私ともに充実した生活を送っていました。
内閣府の『満足度・生活の質に関する調査報告書(令和7年)』によると、子どもがいない世帯の女性において、共働き世帯(DINKs)の生活満足度は10点満点のうち平均6.27点となっており、どちらか片方のみが働く世帯(専業主婦家庭など)の平均6.04点に比べて高い満足度を示しています。
また、同報告書では、共働きによる経済的余裕や仕事を通じた自己実現が生活の楽しさを高める要因として分析されています。
「やっぱり今からでも…」43歳夫が切り出した“まさかの提案”
しかし、結婚から12年目を迎えたある夜。夕食後にレンさんが、真剣な顔つきで思いがけない言葉を口にします。
「やっぱり今からでも、俺たちの子どもがほしい。不妊治療を始めないか」
あまりにも突然の提案に、ミサトさんは頭が真っ白になりました。冗談かと思いましたが、レンさんの目は本気でした。
聞けば、周囲の友人の子どもたちが小学生や中学生になり、家族で休日に出かける話を聞くうちに、自分も父親になりたいという思いが日に日に強くなっていったというのです。