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フルタイム勤務の63歳シングルマザー
内田弘美さん(仮名・63歳)は、茨城県のマンションで一人暮らしをしています。元夫と30年前に離婚してからシングルマザーとして一人娘を育ててきました。弘美さんは60歳まで証券会社の営業職としてバリバリ働いており、63歳になった現在は近所のスーパーでパート勤務をしています。
バレー部の副キャプテンとして県大会にも出場した経験がある弘美さんは、自他ともに認める「体力おばけ」。同年代のパートの同僚が「腰が痛い」「体力的にしんどい」と言って勤務日数を徐々に減らしていくなか、弘美さんは週5日・8時間のフルタイムで働き続けています。
体力に自信のある弘美さんでも、毎日8時間も品出しやレジ対応をしていると、疲れてなかなか起きられない日もあります。それでも働き続けるのは、「かわいい孫に欲しいものを買ってあげられるばぁばでいたいから」。
弘美さんには2人の孫がおり、一人娘の莉子さん(仮名・33歳)と3人で暮らしています。莉子さん家族の自宅は、弘美さんのマンションから車で約30分。普段からお互いの家を行き来できる距離にあるため、孫の誕生日やクリスマス、盆暮れ正月など、お祝いごとがあるたびに集まっています。家族で集まるたびに、弘美さんは孫へのプレゼントやポチ袋を用意しているのです。
「シングルマザーだからって孫たちに我慢させたくないし、娘にも気を使わせたくない。だからたくさん稼がなくっちゃね」
孫の存在が、弘美さんが仕事を頑張るモチベーションになっているのです。
物価高の影響で生活費が1.5万円上昇。スキマバイトに興味津々
ある日の勤務中、弘美さんは40代の同僚女性と休憩時間が一緒になりました。その女性は弘美さんと同じシングルマザー。休憩中は自然と子育てやお金の話になります。その女性は弘美さんと同じシングルマザー。休憩中は自然と子育てやお金の話になります。
「最近は物価が上がっちゃって、家計簿を見るのが怖いのよ。ここ1年くらいは生活費も1.5万円くらい増えちゃってさ~」
まあフルタイムで働いてるからどうにかなってるけどね、と弘美さんは明るく話します。
弘美さんの収入は約18万8,000円で、手取りに直すと15万5,000円前後です。総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)」によると、単身世帯(平均年齢58.6歳)の消費支出は、1か月の平均で約173,042円です。弘美さんの可処分所得は約15万5,000円のため、平均よりも1万8,000円ほど足りません。生活費は月10万円以内に抑えるようにしていますが、もう少しゆとりが欲しいと思っていたのです。
すると、同僚女性から思わぬ言葉が返ってきます。
「毎日大変ですよね。私は最スキマバイトを始めたんです。波はありますけど、月3~4万円くらいは稼げてますよ」
話を聞くと、その女性はパートのシフトが入っていない日の朝10時から14時ごろまで、レストランでスキマバイトをしているとのこと。働きぶりが認められ、そのお店でスキマバイトの募集がかかると優先的にオファーをもらえるようになったそうです。
「お店の人には感謝されるし、お金もその日のうちに振り込まれるし、最近ハマってるんですよね」
これまで名前を聞いたことがある程度の存在だったスキマバイトが、急に身近に感じられた瞬間でした。