(※写真はイメージです/PIXTA)
C社が見抜いた「南向き需要」…「仲介」で叶った高値売却
C社の担当者によれば、昨年同じマンションの東向きの部屋を扱ったことがあり、その際に「南向きの部屋なら購入したい」と購入を見送った顧客が複数いたそうです。そのため、南向きである由美さんの部屋なら、直接買い取りではなく仲介でも時間をかけずに売却できる見込みが高いといいます。
また、部屋を細かく確認しなかったのは、築30年の物件ではリフォーム前提で購入されるケースが多く、多少の破損や汚れは査定にほとんど影響しないのだそうです。
叔母が最初に提示された買い取り金額を伝えると、担当者は苦笑いしながらいいました。
「販売に苦戦しそうな物件なら買い取り価格は低くなりますが、この立地ならすぐに買い手がつきますよ。もしかすると、その業者さんは販売力に自信がないのかもしれませんね。もし売却後の保証が心配であれば、当社の保証付きプランも選べます」
さらに担当者は、査定額を不自然に高く提示する業者には注意が必要だと教えてくれました。高い査定額を示しておきながら、「一般の顧客には高すぎて売れなかった」と最終的に安い買い取りへ誘導するケースがあるそうです。
結局、由美さんは荒井さん同席のもとでC社と契約。そして数ヵ月後、仲介によって相場どおりの金額で早期に売却をすることができました。結果的に、A社の買い取り価格より3,000万円も高く売れたことになります。
「これだけあれば長生きしても大丈夫ね。あなたにも遺産が遺せそうだわ」
由美さんは満足そうに微笑みました。
「買い取り」を勧める不動産業者が増えているワケ
不相産の売買といえば、かつては仲介が主流でしたが、最近はまず買い取りを勧める不動産業者が増えています。
特に今回のように、施設への入居、買い替え、相続、離婚など、現金化を急いでいそうな事情がある場合はその傾向が強まります。もちろん、それが顧客のニーズとマッチしていれば問題ありませんが、買い取り金額は業者によってかなり開きがある場合が少なくありません。
また、業者側の事情を考えると買い取りを勧める理由は明確です。仲介で得られる利益は売却額の3%(売買双方を担当しても6%)に過ぎませんが、査定額の7〜8割で買い取った物件をリフォームして再販売すれば、はるかに大きな利益を得られる可能性があります。顧客の利益を最優先に考えてくれる業者ばかりではないのが実情です。
そのため、1社のいうことを鵜呑みにせず、複数の業者から相見積もりを取るのが賢明です。とはいえ、ネットを使い慣れていない高齢者の場合、こうした比較が難しいこともあります。もし身近に同じ状況の人がいる場合は、本人と業者任せにせず、家族や親族がサポートしてあげるといいでしょう。
不動産は日用品とは違い、金額が非常に大きい資産です。10%の違いが数百万円、数千万円の差になることも珍しくありません。自宅も投資などと同じく「資産」と捉え、売却という出口戦略で思わぬ損をしないよう注意したいものです。
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