複雑怪奇な日本の年金制度。「説明されても難しくて理解できない」と、話題を遠ざけている人も珍しくないでしょう。しかし基本的なことを理解していないと、知らず知らずのうちに損をしていることも。私たちが知っておくべき年金受給の基本についてみていきます。
日本年金機構から届いた「緑色の封筒」を無視した65歳男性。周囲も冷笑する「あまりに恥ずかしい勘違い」

「何もしなくてももらえる」という大いなる誤解

老齢年金は、受給年齢に達しただけで自動的に振り込まれる制度ではありません。日本年金機構は受給開始年齢の約3カ月前になると、「年金請求書(事前送付用)」を緑色の封筒で対象者へ送付しています。この請求書を提出し、必要書類の確認を経て初めて支給手続きが始まります。

 

会社員であれば、社会保険料などが給与から天引きされます。その感覚があるからでしょうか、「年金は何もしなくても振り込まれる」と勘違いしている人は意外と多いもの。受給権自体は原則として5年前までさかのぼって請求でき、高橋さんのように多少、請求が遅くなっても問題はありません。

 

ただし、年金は基本的に“請求”しないと受け取れないもの。たとえば、基準以下の収入しかない場合、年金に上乗せされる「年金生活者支援給付金」は、対象者に請求書は送られてくるものの、きちんと手続き(請求)をしなければ、受け取ることはできません。

 

受け取れるはずの年金が受け取れない――そのようなことがないよう、日本年金機構からのお知らせなどはきちんと目を通す。理解が難しければ問い合わせたり、年金事務所に相談に行ってみる。当事者として関心を持つことが大切です。