「あの家はお金持ちだから、悩みなんてきっとないんだろうな」…大きな“お屋敷”に住み、総資産は5億円と聞けば、不安のない生活をしているとイメージする人が多いのではないでしょうか。しかし、資産があることが、必ずしも幸せにつながるとは限らない可能性もあります。豊かな資産が、かえって息子の人生を止めてしまったとしたら――? FPの小川洋平氏が、資産家夫婦の苦悩とともに詳しく解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
「資産5億円、お金があり過ぎたのかもしれません」…76歳社長夫人、潤沢な資産にも暗い顔。原因は、お屋敷の一部屋に住み続ける“跡取り息子”【CFPが解説】
「支えること」と「依存の固定化」を混同しない
「お金があれば不安はない」とは限りません。お金があることが、結果として子どもの自立を遠ざけてしまう一因にもなり得る――。和代さんのケースはその一例です。
父の清さんは、本来とっくに息子に譲っていたはずの会社の将来について、真剣に考えています。今後、第三者への事業承継や会社売却という選択をすれば、多額の資産が家族へ引き継がれるはずです。そうなれば、康介さんは、確かに生活に困ることなく暮らしていけるのかもしれません。
しかし、和代さん夫婦が本当に心配しているのは、お金ではありません。
「この子は、親がいなくなったあと、一人で人生を歩んでいけるのだろうか」
そんな思いが、日に日に強くなっているのです。自ら判断し、人と関わり、社会とのつながりを持ちながら暮らしていく力は、お金だけでは得られないからです。
親として子どもを支えたいという気持ちは自然なものです。しかし、「支えること」と「依存を固定化すること」は違います。生活費を出し続けることが、結果として本人から社会へ戻る機会を奪ってしまうケースも少なくありません。
本当に子どもの将来を思うのであれば、少しずつでも社会と関わる環境を整え、自立への一歩を後押しすること。甘えや依存が見られるのであれば、ときには突き放すことも必要でしょう。それが、結果的に本人の人生を守ることにもつながるはずです。
小川 洋平
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