投資ではローリスク・ローリターンと説明されることの多い「インデックス投資」。しかし、順調に利益が出ていることを確認すると、より高いリターンを得ようと「個別株投資」に手を伸ばしたくなるものです。ところが、周囲の雰囲気に流されて安易に銘柄を選び、さらに「ナンピン」を重ねてしまうと、思わぬ痛手を負う可能性も……。オモロー山下氏の著書『借金1000万円から億り人 じゃない方芸人の大逆転投資術』(KADOKAWA)より、本人の実体験を通して、「個別株投資」の落とし穴をみていきましょう。
じゃない方芸人「絶対ここが底や!」…テスラ・エヌビディア・米国インデックスに〈約1億円〉を突っ込み「1日3回ナンピン」で頭が真っ白になった〈5,000万円の含み損〉 (※写真はイメージです/PIXTA)

ちょっと物足りなくないか?…「インデックス投資」に感じた退屈さ

2022年から、僕は本格的に投資額を増やしていきました。NISAの枠を超える分は特定口座で追加投資し、生活費を除いた余剰資金を少しずつドルに換えて米国株に振り向けていきました。

 

投資額を増やした理由は単純です。それまでお試しでやっていたインデックス投資で、ちゃんと利益が出ていたから。半年ほどS&P500を積み立てて証券口座を開いてみると、確実にお金が増えている。「投資って、意外と簡単じゃないか」そんなふうに思い始めていたんです。正直に言って、調子に乗っていました。

 

投資を始める前はビビっていたはずなのに、少し慣れてくると、いらん欲が頭をもたげてくるんです。そして、「S&P500で年利7%とか、ちょっと物足りなくないか?」なんて、生意気にも思うようになります。

 

インデックス投資は確かに堅実ですが、刺激がありません。毎月自動で積み立てて年に数%増えるのは確かにありがたいけれど、「勝った!」という高揚感がない。競馬で言えば、ひたすら単勝1.2倍の大本命馬券を買い続けているような感覚です。ニュースで大きく値上がりする銘柄が目に入るたびに、「あれに投資しておけば」という気持ちが湧いてきたんです。

 

「投資先を変えたら、もっと大きく増やせるんじゃないか?」

 

そう思った僕は、ついに次のステップに足を踏み入れました。個別株への投資です

「今買わないと乗り遅れる!」誰もがお祭り騒ぎの“最悪の天井”で買ったテスラとエヌビディア

最初に目をつけたのが、テスラとエヌビディアの2銘柄でした。当時、YouTubeや投資系のニュースでは、どのチャンネルを見ても「テスラがすごい」「エヌビディアが来る」とお祭り騒ぎになっていました。とにかく1億円近い資金を一気に米国株と米国のインデックスに突っ込んだんです

 

ただ、投資をするタイミングが最悪でした。まさか、投資をした直後に、米国のインデックスも、この2社の株価も大暴落するとは、夢にも思っていなかったんです……。僕は、見事に天井で買ってしまいました

 

2022年の年初、テスラもエヌビディアも株価が高値をつけ、チャートは綺麗な右肩上がり。「これからもっと上がる!」と誰もが期待して買っていた時期です。僕もその熱狂に乗せられ、「今買わないと、もっと高くなって乗り遅れてしまう」と激しく焦っていました。

 

こういう心理を「FOMO」と呼ぶそうです。Fear Of Missing Out。つまり、「乗り遅れる恐怖」。「みんなが儲けているのに、自分だけ取り残されるんじゃないか」という焦り。

 

冷静に考えれば、株価が過去最高値ということは、「今が一番高い」というだけの話です。その後も値上がりする保証なんてどこにもありません。それなのに、「インデックスじゃ物足りない」という欲と、「早く買わなきゃ」という焦りで、判断力が完全にバグっていました。

 

そうしてテスラとエヌビディアを大きく買った瞬間から、悪夢が始まりました。株価が「噓やろ」と思うくらい急に下がり始めたんです。