40年以上連れ添った夫の死…息子を頼った79歳母

茨城県在住の北村圭子さん(79歳・仮名)は、3年前に夫(享年80歳)を亡くしました。40年以上連れ添った伴侶の死は、圭子さんの心に大きな穴を開けました。悲しみに暮れる中、頭を悩ませたのが「これからひとりで生活できるだろうか」という不安でした。

葬儀が終わると、夫の遺族年金手続きや銀行の相続手続きなど、慣れない書類仕事が矢継ぎ早に押し寄せます。以前は自分でできていた面倒な手続きですが、最近では書き間違いや書類の添付忘れなどが多くなってきました。

老後の蓄えとして手元には預金約2,000万円があり、毎月16万円ほどの年金も受け取れる見通しでしたが、「ひとりで管理できるかしら」という不安は消えませんでした。

そんなとき、近くに住む長男の博樹さん(54歳・仮名)が声をかけてきました。

「お母さん、手続きとか大変だろ。銀行のこととか俺が代わりにやってあげるよ。困ったことがあればすぐ動けるから」

会社員の博樹さんは妻と子どもと3人で近くに暮らしており、日ごろから圭子さんの買い物を手伝うなど、気にかけてくれていました。その申し出はありがたく、圭子さんは銀行の代理人カードも作り、博樹さんに預けることにしました。

「残高が500万円減っている」…まさかの事態

「頼りになる息子がいてくれてよかった」

そう胸をなでおろしてから数年。圭子さんは穏やかに過ごしていました。大きな病気もなく、医療費はそれほどかかっていません。ところが、ある日ふと通帳を確認してみると、残高が約500万円減り、1,500万円ほどになっていたのです。

驚いて博樹さんに問いただすと、「車を出したり、実家の庭木の手入れを頼んだりしたじゃないか。お母さんのためにも使ったよ」と言います。さらに、「どうせ将来、俺が相続するお金なんだから」という言葉まで飛び出しました。

圭子さんは途方に暮れました。500万円のうち、いくらが本当に自分のために使われたのかもわかりません。

「息子を泥棒扱いにするなんてできない。これ以上もめたくない」

そんな気持ちが先に立ち、事態は宙ぶらりんのままになっています。