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複雑怪奇な「遺族年金」…残された妻を絶望させる3つの落とし穴
パニックに陥る聡子さんに、担当者は申し訳なさそうに遺族年金の複雑な計算ルールを説明し始めました。
実は、遺族年金には「基礎年金」と「厚生年金」の2種類があり、18歳未満の子がいない聡子さんが受け取れるのは「遺族厚生年金」のみです。
さらに、以下の「3つの落とし穴」が聡子さんの受給額を極限まで削り落としていたのです。
1.計算のベースは「厚生年金部分」のみ
遺族厚生年金は、夫が受け取っていた総受給額から「基礎年金」を差し引いた金額がベースになります。
2.「繰下げ受給」による増額分はノーカウント
和夫さんは繰下げで年金を増額していましたが、遺族年金の計算では増額分は加味されず、「65歳時点での本来の額」が基準となります。65歳以上の聡子さんの場合、「和夫さんの老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3」と、「和夫さんの老齢厚生年金の報酬比例部分の2分の1」に「聡子さんの老齢厚生年金の2分の1」を合算した額を比較し、高い方の額が遺族厚生年金の額になります。前者は9万円、後者だと10万円となり、月10万円が適用されます。
3.「自身の老齢厚生年金」が優先され、差額しかもらえない
ここが最大のトラップです。65歳以上で自身の老齢厚生年金を受け取る権利がある場合、自分の年金が全額支給される代わりに、遺族厚生年金はその分だけ「支給停止」となります。
聡子さんの場合、自身の老齢厚生年金が月8万円あったため、遺族厚生年金(月10万円)から8万円が差し引かれ、残った「月2万円」だけが支給される形になったのです。
「ぬか喜びさせておいて…」見込み違いで老後資金計画が崩壊
結局、聡子さんの現在の収入は、自分自身の年金(月15万円)と、夫の遺族年金(月2万円)を合わせた月17万円となりました。
「月20万円もらえると思ったのに、その10分の1ですよ。唯一の救いは、遺族年金には税金がかからないことくらいです。こんな複雑怪奇なルールでぬか喜びさせて、やってられませんよ!」
聡子さんはやり場のない怒りに、悲鳴をあげるように語りました。
「遺族年金は亡夫の4分の3もらえる」という大雑把なイメージを信じ込んでいると、いざというときに老後のライフプランが根底から崩れ去る危険があります。遺された家族が困窮しないよう、元気なうちから正しい年金知識を持ち、夫婦で対策を話し合っておくことが不可欠です。