「うちの親はまだ元気だから大丈夫」と思っていても、介護の始まりはある日突然、なんの前触れもなくやってきます。本記事では、親の介護の事前準備不足と兄妹間の溝が原因で、退院直前に途方に暮れてしまった事例をもとに、要介護になる前にやっておくべきだった4つのことについて、CFPの山﨑裕佳子氏が解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
「入院させるしかないだろ」年金月15万円・87歳母が要介護に…同居中の57歳長女を絶句させた〈長男の非情なひと言〉【CFPの警告】
迫る退院、未定の介護プラン…埋まらない「兄妹の溝」
本来であれば、入院中に兄妹で今後の介護の方針についてしっかりと話し合う必要があったのですが、長い間のコミュニケーション不足によりお互いの想いと意見のすれ違いが露呈します。
まずは入院費の支払いについてです。シゲルさんは、母・タエコさんのお財布から払うのだろうと考えていたのですが、キヨコさんはタエコさんの通帳を預かっていないとのこと。仕方なく、兄のシゲルさんが3万円ほどを立て替えることになりました。
次に、退院後のタエコさんの介護方針について。「自宅介護」を主張するキヨコさんと、「施設入所」をすすめたいシゲルさんの話し合いは平行線です。
そして、リハビリ病院に転院して入院から2ヵ月が経過。タエコさんはリハビリテーションに励んでいますが、今のところ以前のように歩くことが難しい状況です。加えて、入院中に認知症の症状が進行してしまいました。
しかし、「入院で行える治療はこれ以上ない」ということで退院を迫られています。
病院のケースワーカーの勧めで介護認定の申請はしていますが、まだ認定は下りていません。今後の介護プランは未定という状況です。
