(※写真はイメージです/PIXTA)
確認不足による事務処理誤りの実態
日本年金機構『事務処理誤り等(令和8年3月分)について』によると、同年3月分として報告された事務処理誤りは101件に上ります。
影響額の内訳では、過払い事案が8件(合計3,346,632円、平均約41万8,000円)、未払い事案が18件(合計14,834,599円)発生しています。資料内の「原因別内訳」を確認すると、全101件中「確認不足」が72件と最多を占め、次いで「入力誤り」が5件でした。年金制度の手続きにおいて、担当者の確認漏れという人為的要因が事務処理ミスの主な原因となっていることが資料から読み取れます。
行政の事務処理において人為的ミスが発生している以上、受給者は公的機関からの振込金額を無条件に正しいと認識するべきではありません。毎年届く「ねんきん定期便」や、支給額決定時に送付される「年金決定通知書」の記載内容を把握し、実際の入金額と照合することが求められます。入金額に疑問が生じた際は、生活費として使用する前に年金事務所へ照会を行うという基本的な確認作業が、万一の返還請求を防ぐ自己防衛策となります。
「妻が亡くなったあとの手続きで、通知書の金額と実際の振り込み額をきちんと確認していれば、金額が多すぎると気づいていたでしょう。『まさか国が間違えるはずがない……』と考えてしまっていた。きちんとしていれば、こんなことにはならなかったのに」
事務処理のミスは行政側にあったとしても、受け取った以上は返還義務が生じ、最終的に生活への打撃を受けるのは受給者自身です。田中さんは今後の生活費の大幅な切り詰めを余儀なくされています。
「これまでよりも、月1万5,000円ほどひかれてます。もう月18万円ほどの生活に慣れきってますから、本当に大変。どう生きていけばいいのか。全面的に国を信じていた私が愚かでした」