「未納が多い」というイメージとは裏腹に、最新データでは最終納付率84.5%まで上昇している国民年金保険料。しかし平均の裏側では、地域ごとのくっきりとした明暗が浮かび上がっています。データが明かす地域格差のリアルと、年齢別に現れた「謎のV字カーブ」の背景に迫ります。
【最新・都道府県“国民年金納付率”ランキング】1位と47位でくっきりと明暗…大都市圏が低迷するなか「9割超え」でしっかり納める「日本海側の3つの地域」とは? (※写真はイメージです/PIXTA)

年齢階級別の納付状況と、外国人の間で広がる動き

ここで少し視点を変えて、年齢階級別の納付状況にも触れておきましょう。年齢による納付率の変化を追いかけてみると、そこにはある特徴的なV字カーブが存在しています。

 

20代前半の若年層の納付率は比較的高い水準にあるのですが、そこから20代後半から30代前半にかけて急激に落ち込んでしまいます。おそらく、学校を卒業して就職や転職など、生活環境が激変する時期であることが影響しているのでしょう。

 

そして30代前半で底を打った後は、年齢が上がるにつれておおむね右肩上がりで高くなっていきます。老後という現実が少しずつ見え始め、将来への備えとして年金の重要性を再認識する人が増えるからではないでしょうか。

 

さらに、近年増加している外国人の納付状況にも目を向けてみましょう。現在、外国人の公的年金加入者数は281万人に達しています。そのうち、国民年金第1号被保険者として自ら保険料を納める立場にある外国人の最終納付率は49.7%。まだまだ日本人全体と比べると低い水準に見えます。しかし、前年度から一気に6.2ポイントも上昇しているという事実は、決して見逃すことができません。日本で生活の基盤を築こうとする外国人の間で、日本の社会保障制度への参加が急速に進んでいることが読み取れます。

 

ちなみに、普段目にする「納付率」という言葉には少し注意が必要です。国民年金保険料は、過去2年分までは遡って納付することが認められています。そのため、当該年度中に納付された現年度納付率よりも、後から納付された分を含めた最終納付率の方が高くなります。実際、今回の令和4年度分の現年度納付率は76.1%でしたが、最終納付率では84.5%まで大きく跳ね上がっています。

 

「どうせ払っても損をする」

「未納者が多い」

 

ネガティブなイメージで語られがちな国民年金ですが、実態を紐解けば、多くの人が将来を見据えて前向きに制度を支えている姿が見えてきます。生活環境の変化やうっかり忘れで未納になっている分がある人も、日本の手厚い社会保障を将来の安心へとつなげるために、まずは「2年以内の後納制度」を利用して足元から未納を解消してみるのも一手です。