(※写真はイメージです/PIXTA)
妻の反論で猛省…「遅すぎる老後資金の準備」を夫婦でスタート
ナオミさんの反論に、タカシさんは返す言葉がありませんでした。たしかに妻はブランド品を買うわけでもなく、いつも質素な身なりをしていました。自分は「毎月生活費を渡しているのだから大丈夫だろう」と思考停止に陥り、家庭の経済状況から目を背けていたのです。
「妻を責める資格はありません。家計管理を押しつけ、無関心だった私にも責任はあります」と、タカシさんは反省しています。
現在、タカシさんは休日にナオミさんと老後資金について話し合い、家計の収支の見直しを行っているといいます。
タカシさんの退職金が出るまであと2年。失われた時間を取り戻すのは容易ではありませんが、2人はようやくお金について対等に考えられる関係を築き、遅れながらも老後資金の準備を始めたのです。
データで見る「貯蓄150万」の現実…投資を避けたことによる「老後不安」
タカシさんが直面した「年収は約950万円もあるのに貯金が150万円しかない」という現実は、客観的なデータと照らし合わせると、いかに後れを取っているかが浮き彫りになります。
内閣府の「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」によると、シニア層が保有する金融資産の総額は平均で1,769万円となっています。「150万円」という貯蓄額は、この平均値を約1,600万円も下回っており、長年の甘い家計管理を続けてきた赤字家計の代償がいかに大きかったかを物語っています。
さらに、妻のナオミさんが「投資は怖い」と資産運用を避けていたことも致命的な痛手となりました。金融庁の調査によれば、現行のNISAの総口座数は令和7年末の速報値で2,825万口座を突破し、多くの国民が非課税メリットを活かして資産形成に動いています。それにもかかわらず、「お金のことは妻の領域」と無関心を貫いた夫と、古い価値観のまま非効率な家計管理を続けた妻は、恵まれた収入による恩恵をことごとく溶かしてしまったといえます。
前述の内閣府の調査において「現在の貯蓄額は、これからの生活をしていく備えとして十分か」を尋ねたところ、全体でも約6割が「足りない」と回答していますが、タカシさんと同じ「金融資産1〜500万円未満」の層に限ると、実に87.7%もの人が「足りない」と強い不安を抱えていることが明らかになっています。
どんなに高い収入があっても、夫婦がお金について対等に話し合わず思考停止を続けていれば、老後を目前にして「圧倒的な資金不足と絶望的な不安」に直面してしまうことを、このデータと事例は警告しています。
内閣府「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」
金融庁「NISAの利用状況の推移(令和7年12月末時点・速報値)」
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