毎年誕生月にハガキ形式で届く「ねんきん定期便」ですが、35歳、45歳、59歳の誕生月には「青い封書(封筒)」で届きます。封筒で届くねんきん定期便は、普段よりも詳細な内容が書かれているものの、記載されている情報だけでは将来の年金額を正確に判断できないようです。ねんきん定期便で見逃がしてはいけない“要チェックポイント”と、ねんきん定期便には記載されていない「年金増額のチャンス」について、社労士CFPが解説します。
年金230万円か、もっと欲しいな…59歳サラリーマンが日本年金機構から届いた“青色の封筒”を開けてポツリ【社労士CFPが「60歳以降に年金受給額を増やす方法」を紹介】
ねんきん定期便だけではわからない「増額チャンス」
3.「加給年金」の有無
シンジさんの妻・フミエさんは扶養に入っており、年収も850万円未満です。そのため、このままいけばシンジさんの老齢厚生年金に「配偶者加給年金」が加算されます。
加給年金は年間およそ37〜38万円で、フミエさんが65歳になるまで支給されます。ただし、この加給年金は定期便には記載されません。
家族構成によっては、このように「ねんきん定期便に記載されない上乗せ」もあるため注意しましょう。
4.「在職老齢年金」の対象になるかどうか
年金を受給し始めたあとも引き続き厚生年金に加入しながら働く場合は、在職老齢年金制度の対象となり、老齢厚生年金の一部が支給停止になることがあります。
在職老齢年金制度は、
(1)老齢厚生年金(報酬比例部分)
(2)標準報酬月額
(3)直近1年の標準賞与額の12分の1
上記(1)~(3)の合計金額が65万円(2026年度の場合)を超えると、超えた分の2分の1に相当する(1)が支給停止となる仕組みです。
なお、ねんきん定期便に記載されている見込額には、この在職中の支給停止(減額)分は反映されていません。あくまで「全額支給される」前提です。
そのため、シンジさんが65歳以降も高収入で働き続ける場合、年金がカットされてしまい、実際の受給額は定期便の表示より少なくなる可能性があります。
ただし、65万円基準を下回る給与・賞与で働く場合や、厚生年金に加入しない働き方であれば、他の収入が高くても支給停止にはなりません。
働き方と年金の関係は受給額に影響するため、しっかり確認しておく必要があります。
59歳は重要なタイミング
年金制度に加入し続けていれば、60歳以降も引き続きハガキ形式のねんきん定期便は届きます。しかし、封書で届く定期便は59歳が最後です。35歳や45歳のときと比べても、59歳は年金生活がいよいよ現実味を帯びてくる年齢といえます。
59歳の定期便には、これまでの長い加入記録と、それに基づく現時点での年金見込額がまとめられていますが、“記載されている情報がすべて”ではありません。
ねんきん定期便が届いたら、まずは記載に誤りがないかを確認しましょう。そのうえで、今後どのように年金を増やせるか、考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
五十嵐義典
特定社会保険労務士/CFP
株式会社よこはまライフプランニング代表取締役
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