(※写真はイメージです/PIXTA)
現実は残酷…市場の最高値更新を横目に「一人負け」
それから2年半。日経平均もS&P500も最高値を更新し、市場は空前の活況に沸いています。高田さんの「コア」であるインデックスファンドも順調に利益を出していました。一方で、肝心の「攻めのサテライト」がパッとしないのです。
期待のインド株は値下がりし、アクティブファンドはインデックスに遠くおよびません。さらに悲惨なのは、自信を持って選んだ個別株です。高配当で選んだ株は、その後無配になり株価は暴落、お宝だと思った中小型株はずるずると値下がりを続けています。
「くそぅ、なんで俺の選んだ株ばっかり下がるんだ?」
サテライト比率を高く設定しすぎた結果、運用成績はコアのプラス分を食いつぶし、トータルでもマイナスに。この事実は、高田さんのプライドをズタズタにし、順調なサラリーマン生活にまで暗い影を落とすことになってしまいました。
「イカした横文字」は、販売側のマーケティング戦略に過ぎない
そもそもなぜ「コア・サテライト戦略」が、いつの間にか個人の投資戦略として推奨されているのでしょうか。それは、なんだかスマートでイカす横文字で概念的にも理解しやすいという点にあるかもしれません。元来、コア・サテライト戦略はプロの機関投資家のための戦略であり、個人にそのまま当てはめるには無理があります。その理由は主に以下の三点。
1.個人の資産全体をみれば、インデックスでも十分「攻め」である
機関投資家と違い、個人の資産には「普通預金」「保険」「自宅不動産」といった、変動の少ない大きな「守りの資産」がすでに存在します。これらが真のコアです。そう考えると、変動の大きい株式インデックス投資自体が、すでに十分なサテライト資産なのです。そこからさらにリスクを重ねる必要が本当にあるのでしょうか。
2.プロの8割がインデックスに負けるという現実
コア・サテライト戦略は1980年代に機関投資家に広がったといわれる40年以上も前の古い戦略です。いまではアクティブファンドのプロでさえ、8割以上が長期でインデックス(市場平均)に負けるといわれています。片手間で投資をしている個人が、プロでも見極められない「インデックス超えの銘柄」をチョイスできると考えるのは、いささか傲慢といわざるを得ません。
また、キツい言い方かもしれませんが、サラリーマンとして一流で出世頭だったとしても、それはせいぜい狭い会社のなかでの話で、競争相手は同じレベルです。対して投資の世界の競争相手は世界の一流大学で金融工学などを学んだエリートたちが、超高性能なコンピュータを駆使して取引を行う世界だということを知っておくべきでしょう。
3.煽り文句は、商売上の都合
コア・サテライト戦略を推奨する多くは販売サイドの金融機関やアクティブファンドの代表です。彼らがこの戦略を推す理由は明快。個人投資家が手数料の安いオルカンなどのインデックスファンドばかりを選べば、彼らの商売が干上がってしまうからです。「インデックスは思考停止」という言葉は、あなたを思っての助言ではなく、彼らのマーケティング戦略なのです。