「どうして専業主婦の友達のほうが、私より遺族年金が多いの?」――長年、夫と肩を並べて働き、保険料を納め続けてきた67歳の女性。しかし、夫の急逝後に知らされたのは、共働きゆえの「残酷な逆転現象」でした。一生懸命働いた人ほど損をする? 年金制度の今と今後を含めて、CFPの松田聡子氏が解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
「これじゃ報われませんよ」…共働きで必死に働いた67歳女性、夫亡き後の年金〈月16万円〉の衝撃。保険料を払っていない友人と「まさかの逆転」が起きたワケ【CFPの助言】
【FPからのアドバイス】働いてきたことは、決してマイナスではない
泰子さんの気持ちはよく理解できます。しかし、FPの立場から申し上げると、「遺族年金の額だけ」を比べて損得を判断するのは、少し視野が狭いかもしれません。
泰子さんには2,000万円の貯蓄があります。これは現役時代に働き続けたからこそ積み上げられた財産です。専業主婦として夫の収入だけに頼ってきた場合、同じ水準の貯蓄ができたとは限りません。遺族年金の月額だけを比べれば朋代さんが多く見えますが、生涯を通じた収入・資産の全体像で見れば、泰子さんが不利ということにはならないでしょう。
月16万円の年金収入で生活費が少し足りない場合でも、2,000万円の貯蓄から少しずつ取り崩すことは十分に現実的な選択です。ただし、2026年現在、物価高は深刻です。2,000万円をすべて預金に置いたままだと、お金の価値は目減りし続けます。
そこで、運用で年利2〜3%程度を目指すと、資産の「寿命」を延ばせる可能性があります。たとえば、資産の半分程度を個人向け国債や、NISAでリスクが低めのバランスファンドなどへ振り分けるのも一案です。
いずれにしても、夫が亡くなっても暮らしていける経済的基盤があること自体が、泰子さんが働いてきたことの最大の成果です。年金額という「制度」に振り回されず、自力で掴み取った「自立」こそが、これからの自由な生活を支える何よりの強みになるはずです。
松田聡子
CFP®
【注目のセミナー情報】
【短期償却】5月9日(土)オンライン開催
《所得税対策×レバレッジ投資》
インフラ活用で節税利益を2倍にする方法
【相続×資産運用】5月13日(水)オンライン開催
《富裕層向け》
後悔しないための「相続対策・資産運用」戦略