住宅ローン審査をする際、金融機関はなにを重視しているのでしょうか? 国土交通省が公表した「民間住宅ローンの実態に関する調査(令和6年度実績)」によれば、金融機関が融資審査で考慮する項目のうち、「完済時年齢(98.9%)」や「年収(95.4%)」と並び、多くの金融機関が最重要項目の一つとして挙げている項目があって……。住宅ローン審査に落ちたハジメさんの事例をみていきましょう。
銀行員「残念ながら、融資を見送らせていただきます」…年収1,900万円の44歳部長が住宅ローン審査、否決。銀行から告げられた〈思いがけない理由〉 (※写真はイメージです/PIXTA)

「すまん、落ちた」…妻への懺悔

その日の夜、ハジメさんはリビングで待っていた妻に、重い口を開きました。

 

「……すまん。マンション、ダメになった。ローンが通らなかったんだ」

 

「えっ、どうして……? まさか、なにか隠してる借金とかあるの?」

 

妻の困惑に、うつ病が原因で保険に入れなかったことを打ち明けました。

 

「健康じゃなければ、家一つ買わせてもらえないんだな……」

 

妻は気落ちするハジメさんに寄り添ってくれました。そして二人は、理想のマイホーム計画が白紙になった現実を噛み締めます。

健康状態に不安があると住宅ローンは組めない?

ハジメさんのように、病気が原因で住宅ローンを組めなかったというケースは少なくありません。さらにハジメさんの場合、44歳という年齢を考えると、治療完了から数年経つのを待つ「無告知期間」を狙う方法は、完済時の年齢や教育費のピークを考えると現実的ではありません。では、どうすればいいのでしょうか。

 

「団信加入が任意」のローンを選択する

民間銀行の多くは団信加入が必須ですが、「フラット35」のように団信への加入が「任意」となっているローンも存在します。健康上の理由で団信に入れない場合でも、融資そのものを受けることは可能です。

 

「民間の生命保険の保障」で代用する

団信に入らない場合、万が一の際に住宅ローンという巨額の借金が家族に残るリスクがあります。これをカバーするために、すでに加入している民間の生命保険の増額や、健康状態の審査が緩い保険での代替を検討します。一方で、民間の保険で代用するには下記のようなデメリットも存在することに注意が必要です。

 

コスト増:年齢が40代半ばを過ぎていると、住宅ローン残高をすべてカバーするだけの死亡保障を確保しようとすれば、月々の保険料はかなり高額になります。全体の予算の調整のため、マイホーム物件価格そのものの予算を削らなければならないことも。

 

「三大疾病特約」などの付加が難しい:団信であれば低金利で付加できる「ガン保障」などの特則も、民間の個別保険では審査が通らない、あるいは保険料が跳ね上がる傾向にあります。

 

管理の煩雑さ:ローンの減額に合わせて保障額を調整する「逓減定期保険」などを自分で細かく設定する必要があります。

 

「ワイド団信」という選択肢

通常の団信よりも加入基準が緩和された「ワイド団信」を扱う銀行を探す方法もあります。金利が年0.2%〜0.3%ほど上乗せされますが、うつ病などの持病があっても審査に通る可能性があります。

 

高い社会的地位があっても、健康上の理由で住宅ローンを利用できないことはあります。44歳の部長であるハジメさんにとって、今回の否決は、現在の働き方や自身の健康状態を客観的に見つめ直す機会となりました。家を手に入れる方法は一つではありません。いまは焦らず、自身の体調と相談しながら、家族にとって最善の形を模索しています。

 

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