(※写真はイメージです/PIXTA)
9,000万円のマイホームを購入しようとしたが…
「年収がこれだけあれば、普通に考えれば通るだろう」
都内の外資系企業で部長を務めるハジメさん(仮名/44歳)は、そう思っていました。40代半ばにして年収1,900万円。32歳で結婚し、現在は小学6年生の長女と小学4年生の長男を持つ4人家族です。
結婚から12年、ずっと賃貸マンション暮らしでしたが、子どもたちの成長に伴いマイホーム購入を決意。妻と休日のたびに家探しを行い、都心の9,000万円の中古マンションをみつけました。頭金として1,000万円用意し、住宅ローンの審査へと臨みます。
しかし、数日後に銀行の担当者からかかってきた電話は、思いがけない宣告だったのです。
「誠に残念ながら……今回はご融資を見送らせていただくことになりました」
審査に落ちた理由
ハジメさんは自分の属性には自信がありました。勤続年数、年収、返済比率、どれをとっても優良顧客の条件を満たしています。それなのになぜ、否決されたのか。
理由を尋ねると、「実は、当行の融資承認自体は下りているのですが、付帯する保険の引き受けができませんでした。 そのため、このままでは融資が実行できない状況です」と切り出されます。
――つまり、ハジメさんが融資を受けられなかった原因は、団体信用生命保険(団信)加入必須の住宅ローン審査で、団信の審査に落ちたことです。ハジメさんは、審査のプロセスで「団体信用生命保険(団信)」の告知書類の提出を求められていました。
「実は2年ほど前から、激務による不眠と気分の落ち込みが続き、心療内科に通っていたんです。診断名はうつ病。といっても、薬を飲みながら仕事はこなせていますし、一度も休職したことはありません。だから、仕事の能力が認められている以上、ローンに響くなんて考えもしなかったんです」
しかし、団信の審査を行う生命保険会社にとって、精神疾患による投薬治療の事実は、重大な「引き受けリスク」とみなされます。たとえ高年収であっても、保険会社が「ノー」といえば、団信加入を融資の必須条件としている多くの民間銀行は、否決せざるを得ないのです。