資産2億円、年間家賃収入3,000万円——一見すれば何不自由ない老後を送る富裕層にも、「人には話せない悩み」があります。10年近く定職に就かず、親の所有する不動産に住み続ける息子。披露宴の席での出来事から父親が直面することになった、“先送りにしてはいけない現実”とは? 「お金を残すこと」の本当の意味について、FPの三原由紀氏が解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
働かない35歳息子に「仕送り総額約3,000万円」…資産2億円・68歳富裕層の憂い。現実を直視したきっかけは、息子が決めた「150万円の使い道」【FPの助言】
150万円がLINEで消えた日――「背筋が冷たくなりました」
転機となったのは、ある出来事でした。
健太さんが小中高時代の友人の結婚披露宴に出席した際、旧友の一人が「起業する」と話し始めました。宴の翌日にはLINEグループが立ち上がり、「みんなで出資しよう」という流れに。
「みんな少しずつ出すみたいだから、自分も少し出資してみるよ」
そう聞いていた山田さんも、そのときは深く気にしていませんでした。せいぜい数万円、起業のお祝い金程度だろうと思っていたからです。
しかし後になってわかったのは、まとまった金額――約150万円を出資していたのは、健太さんだけだったという事実でした。
「金額を聞いたとき、正直、背筋が冷たくなりました」
それ以上に驚いたのは、その意思決定の軽さでした。事業の詳しい説明を聞いたり、契約書を取り交わしたりすることもなく、LINEのやり取りだけで150万円を送金していたといいます。
「小学校からの仲間だし、それで十分でしょ」と言う健太さんに、山田さんは言葉を失いました。
その150万円は、健太さんが自分で稼いだお金ではなく、山田さんが生活費として渡してきた中から出したものでした。結局、友人の事業はうまくいかず、資金は戻ってきていません。