50歳会社員が「ねんきん定期便」に抱いた“違和感”

コウスケさん(仮名・50歳)は、妻と息子の3人暮らしです。年収は700万円で、高校卒業後18歳で就職し、その後30代前半まで転職を繰り返してきました。現在は造船所に勤務しています。

ある日、自宅のポストにコウスケさん宛てのハガキが届いていることに気がつきました。差出人は「日本年金機構」です。

「どれどれ、俺は将来どれくらい年金をもらえるんだろう」

ねんきん定期便を確認したコウスケさんは、記載されていた年金見込額を見た瞬間、思わず手が止まりました。

「156万円……月あたり13万円って、いくらなんでも少なすぎないか?」

想定よりも低い数字に動揺したコウスケさん。年金の仕組みは複雑なため、一度は「こんなものなのかもしれない」と自分を納得させようとしましたが、どこか腑に落ちません。

「ただの思い過ごしかもしれない。でも……」

年金額に納得がいかないコウスケさんは、思い切って年金事務所に行くことにしました。

年金加入記録回答票?なんですかそれ…

後日、年金事務所で職員が調べたところ、厚生年金の加入期間に一部誤りがあることが判明。担当者によると、転職が多い人や改姓があった人は、記録が正しくつながっていない場合があるそうです。

「やっぱりそうか!」

続けて、担当者から次のような質問がありました。

「45歳のときに届いた『年金加入記録回答票』は確認されましたか?」
「年金加入記録回答票? なんですかそれ……」

「年金加入記録回答票」とは、これまでの年金加入履歴を本人に確認してもらうために送られる書類です。35歳・45歳・59歳の節目の年齢に届く封書版の「ねんきん定期便」に同封されており、通知された記録と自身の経歴を照らし合わせて漏れや誤りがあれば、日本年金機構へ確認を依頼できる仕組みになっています。

本来であれば、この段階で記録の不備に気づくことも可能です。コウスケさんは45歳のときに回答票を確認していなかったため、誤った記録が5年以上放置されていたということになります。

年金事務所での確認を終えたコウスケさんは、そのまま自宅へ戻り、どこか勝ち誇ったような表情で妻に報告しました。

「やっぱり記録が間違ってたみたいだ。確認して正解だったよ!」

喜んでくれるかと思いきや、妻の反応は、コウスケさんの予想とは違っていました。