退職届を提出したが…再就職の厳しい現実

「もう少し冷静に考えてから」と引き留める章江さんの言葉も耳に入らないまま、和夫さんは退職届を提出しました。退職金は1,500万円。「多少の収入減少を受け入れれば、次は見つかるだろう」と考えていました。

しかし予想に反し、現実は厳しいものでした。シニア向け転職エージェント2社に登録し、製造管理系・年収450万円以上を希望条件に活動を開始しましたが、面接まで進む求人案件がほとんどありません。

自己都合退職のため、7日間の待機期間に加えて1ヵ月の給付制限を経てようやく失業給付の受給が始まりましたが、給付日数には限りがあります。完全にリタイアするまで、退職金には手をつけたくありません。

ついに失業給付がなくなる頃、精神的に追い詰められた和夫さんは、警備会社への再就職を決めました。その年収は約320万円です。

「あのまま倉庫にいれば、少なくとも400万円はもらえていた。なぜあのとき辞めてしまったのか……」

和夫さんは後悔しましたが、「時すでに遅し」でした。