文部科学省の調査によれば、私立中学校の学習費は年間平均で約156万円と、子育て世帯の家計を大きく圧迫しています。そんな教育費の重圧に苦しむのが、世帯年収800万円で一人息子を育てる40代のヨウヘイさん夫婦です。小学4年生から周囲に流されるまま進学塾に通わせ始めた結果、小6の現在、塾代などの特別課金は年間100万円超えに。毎月の貯金は底をつき、自分たちの老後資金すら用意できず、見栄と親の意地で「教育費課金の沼」から抜けられない現役世代を見ていきましょう。
「みんな通ってるのよ!」小6の塾代で年100万円超え…世帯年収800万円・40代夫婦の抜け出せない〈課金レース〉と老後破産の恐怖 (※写真はイメージです/PIXTA)

「うちの子だけ遅れるわけには…」月3万円の塾通いが家計の乱れの引き金に

「毎月の塾代の引き落とし日が憂鬱です。でも、息子の同級生はみんな通っているし、親の都合で辞めさせるなんてできませんでした……」

 

都内のメーカーで働くヨウヘイさん(仮名・45歳)。妻はパートタイムで働き、世帯年収は約800万円。裕福ではないものの、生活に困るほどではありませんでした。しかし、一人息子が小学4年生になったとき、徐々に家計が乱れ始めました。

 

周囲の家庭が当たり前のように中学受験塾に通い始めたことで、妻が「みんな通ってるのよ! うちの子だけ遅れをとるわけにはいかない」と焦り出したのです。

 

「最初は月3万円程度なら……と、僕も軽い気持ちで入塾に同意しました。でも、あのとき、もっと真剣に家計のことを話し合っておくべきだったんです」

「もう限界……」小6で年間100万円超え、抜け出せない〈課金レース〉

学年が上がるにつれて、教育費用もどんどん上昇。通常授業料に加えて、夏期講習、冬期講習、正月特訓。さらに「弱点克服のために」と勧められた個別指導塾にも通わせた結果、小学6年生時の塾代は年間100万円を超えました。

 

「ボーナスなんて、塾代の引き落としに全部消えていきますよ。世帯年収が800万円あっても、貯金どころか毎月赤字スレスレです……」

 

最近では、妻と「塾辞めさせて、もし受験失敗したらどうするの?」と口論になることも増えたといいます。

 

仮に無事に合格したとしても、中高一貫校の学費は年間100万円近くかかります。現在の塾代がそのまま学費にスライドするだけで、家計が楽になるわけではありません。

 

そして、何より恐ろしいのは、自分たちの老後資金がまったく貯まっていないという事実です。

 

「老後破産という言葉が頭をよぎります。でも、ママ友に見栄を張る妻や、合格を信じて頑張っている息子の顔を見ると、お金がないから辞めてなんて絶対にいえませんよ……」

 

教育熱心という言葉に隠された「課金レース」から抜け出せず、ヨウヘイさんは今日も口座残高を見て将来を憂いています。

 

[参考資料]

 総務省「家計調査報告(令和7年)」

文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査結果」

内閣府「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」