問い合わせの結果…

タカシさんはたしかに、過去に厚生年金基金へ加入していたことが判明。その後すぐに手続きを行った結果、月1万5,000円ほどの企業年金を受け取れることになったのです。

思いがけない年金の増額に、タカシさんはほっとひと安心。これで、毎月3万円の赤字は1万5,000円に縮小します。

「急いで働くことはないかもしれないな。娘の体調も少しずつよくなっているし、もう少し様子を見よう」

タカシさんは今後の生活に、少しだけ明るい兆しが見えました。

企業年金は申請しなければ受け取れない

繰り返しになりますが、企業年金は原則として、申請しなければ受け取ることができません。冒頭で紹介したとおり、請求手続が行われていない人は100万人を超えており、気づかないまま受給の機会を逃している人も多いのが現実です。

タカシさんも、年金事務所を訪れるまでは、自身が企業年金の対象であることに気づいていませんでした。もしあのとき確認していなければ、月1万5,000円の年金を受け取ることなく過ごしていた可能性もあります。

年金は「自動的にもらえるもの」と考えがちですが、すべてがそうとは限りません。特に企業年金については、「自分がどの制度に加入していたのか」「いくら受け取れる可能性があるのか」を、自分で確認しておくことが重要です。

辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP