夫の死後、義母との同居や介護をどうするか――悩む人は少なくありません。「縁は切りたい、でも生活は守りたい」。58歳女性が選んだ決断とは? 遺族年金や相続への影響も含め、FPの三原由紀氏が詳しく解説します。
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義母と同じ墓?ぜったい無理です…夫の四十九日に“死後離婚”を決意した58歳妻。「墓は別、縁は切って年金はいただく」現実的な選択の裏側【FPの助言】
「縁を切るなら年金はもらえない?」多くの人が誤解している制度の実態
きっかけは、独立して暮らす長男の一言でした。
「お母さん、“死後離婚”ってできるらしいよ」
最初は半信半疑でしたが、調べていくうちに「姻族関係終了届」という手続きの存在を知ります。配偶者の死後、義理の親族との関係を法的に終了させる制度です。
ここで多くの人が不安に感じるのが、お金の問題です。義姉が口にしたように、「縁を切るなら財産や年金は受け取れないのでは」と考える人は少なくありません。
しかし実際には、遺族年金は亡くなった配偶者との関係に基づく権利です。義理の親族との関係とは切り離されており、姻族関係終了届を提出しても受給権が失われることはありません。また、相続についても、配偶者としての権利は死亡時点で確定しているため、その後に姻族関係終了届を提出しても影響はありません。
由美子さんの場合、遺族年金として受け取れるのは年間およそ150万円(月額にすると約12万5,000円)です。決して余裕のある金額ではありませんが、65歳以降は自身の老齢基礎年金と合わせて年間170万円前後(月14万円程度)になる見込みです。
なお、この手続きをしても、子どもと義理の祖母との関係が変わるわけではありません。あくまで配偶者本人と姻族との関係に限られます。
それでも迷う人が少なくないのは、制度として可能でも、気持ちとして許されるのかという点で揺れ動くからです。こうした感情が、「わかっていても行動できない」状態を生み出してしまいます。
それでも由美子さんは、関係を見直したいと考えるようになりました。