3ヵ月後…息子の変わり果てた姿に愕然

退職から3ヵ月後、心配になって健太郎さんのマンションを訪ねた石川さん。すると、昼の2時にもかかわらずパジャマ姿。「朝11時に起きて株価をチェックしてブログを書いている」と嬉しそうに話しますが、毎朝6時に起きて40年間働いてきた石川さんの目には、ただの怠惰にしか映りません。

会社員時代にはあり得なかった、髪や髭が伸び放題の様子。「友達には会っているのか?」と尋ねると、「みんな平日は働いてるし、休みの日も忙しくて、なかなか会えないよ」と寂しそうに答えます。

石川さんは、改めて疑問を投げかけました。

「せっかく良い大学を出て良い会社に入ったのに、なぜ捨てたんだ」

「父さんは昭和の考えに縛られている。僕は経済的自由を手に入れたんだよ」

「6,000万円で本当に一生暮らしていけるのか?」

「そんなことは計算済みだよ。父さんこそ、年金だけで大丈夫なの?」

石川さんの心配が伝わっているのか、いないのか。話をするうちに怒りが込み上げ、石川さんはつい声を荒げました。

「もしもの時、私たちを頼ろうなどと思うなよ」

健太郎さんは黙って立ち上がり、翌朝の見送りにも出てきませんでした。

石川さんにとって自慢の息子だった健太郎さん。しかし今となっては、特別な成功を収めていなくても、社会の一員として働き、家庭を築いている――そんな子どもを持つ同世代が、心底羨ましくなっていました。