国の「介護保険制度」を活用して入れる介護施設には、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老人保健施設)のほかに、医療依存度が高い方のための「介護療養型医療施設(療養病床)」が存在していました。ただし、“とある理由”から、同施設は2024年3月で廃止に……。その背景には、高齢社会における「お金」とケアの不均衡がありました。高島亜沙美氏著、西智弘氏監修の書籍『人生の終わり方を考えよう 現役看護師が伝える老いと死のプロセス』(KADOKAWA)より、同施設が廃止となった理由と変わりゆく高齢者施設のシビアな現状についてみていきましょう。
「最後は自助努力で。」という冷徹な宣告…2024年に廃止された〈“介護保険”で入院できる安上がりな医療施設〉、国の非情な方針転換 (※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者の受け皿は「公的施設」だけでは足りない

ここまでが、介護保険で利用できる福祉施設になります。運用元は、国です。しかしながら、これだけじゃ高齢者の受け皿としては全然足りません。

 

介護保険という公的サービス以外にも、

 

●介護付き有料老人ホーム

●サービス付き高齢者向け住宅(高齢者向けの賃貸住宅)

●グループホーム(認知症の診断&要支援2以上の介護認定が必須、自立した生活を送れる人向け)

●小規模多機能型居宅介護施設(居宅サービス)

 

このあたりがお泊まりタイプの施設になります。ただ、こちらは福祉施設ではなく民間施設。当然、ボランティアで運営しているわけではなく営利目的ですので、何十万〜無限に費用がかかります。わたしが知っている事例では、入居金が3000万円、プラス月々40万円を死ぬまで払うという施設に入所した方もいました。生きるって本当にお金がかかりますね。

 

入居する本人の意向や資産、家族との関係性と関わりの濃度、どういうサービスを受けたいのか&受けたくないのか、医師や看護師がどの時間帯にどれくらいの人数いるのか、このあたりをキーパーソンとクリアにしながら候補先を絞っていけると良いのではないかと思います。

 

 

高島 亜沙美

看護師/保健師