「住み慣れた我が家で最期を迎えさせてあげたい」。そう願う家族は少なくありませんが、現実は想像を絶する過酷な日々が待っていることも事実です。ある女性のケースをみていきます。
家で看取ると決めた、その日から…「月収25万円・55歳嫁」の告白。壮絶な「義母の在宅介護」を振り返り、それでも笑顔のワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

「在宅看取り」の理想と現実

厚生労働省が発表した『令和4年度 人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査報告書』によると、「病気で治る見込みがなく、およそ1年以内に徐々にあるいは急に死に至る状態」において、最期を迎えたい場所として「自宅」を挙げた人は43.8%にのぼります。

 

一方で、自宅以外で最期を迎えることを選択した理由(複数回答)として、「家族に負担がかかる」と答えた人が74.6%と圧倒的に多く、次いで「急変時の対応が不安」が57.2%となっています。

 

このデータは、美智子さんが直面した「病院側の懸念」や「自身の不安」そのものです。しかし、同調査では興味深い結果も示されています。

 

人生の最終段階における医療・ケアについて、家族や医療従事者とあらかじめ話し合う「アドバンス・ケア・プランニング(愛称:人生会議)」を詳しく知っている、または聞いたことがある人は、前回の調査より増加傾向にあります。

 

美智子さんが病院の反対を押し切れたのは、和子さんとの間で「家がいい」という意思の共有、つまり「人生会議」が図らずも成立していたからだといえそうです。

 

看取りにかかる費用としては、訪問診療費やリハビリ代、薬代のほか、介護ベッド等のレンタル代やおむつなど衛生用品代などがかかります。所得区分によりますが、たとえば75歳以上で自己負担額が1割であれば、外来(個人単位)の医療費負担額の上限は月額1万8,000円です。これを超えた分は「高額療養費制度」の対象となり、申請により払い戻されます。

 

いずれにせよ、利用できるサービスとかけられる費用については、事前にケアマネジャーとしっかり相談しておくことが重要です。