ついに娘に助けを求めたが…まさかの言葉に絶句

料理もしたことがない安田さんにとって、食生活の変化も深刻でした。最初の数日は「たまには外食もいいだろう」と近隣の飲食店へ足を運びましたが、独りでテーブルを囲む寂しさに耐えられず、次第に足が遠のきました。

結局、近所のスーパーで買った弁当をつつく毎日が始まりました。妻が作ってくれていた、品数豊富な食事が思い起こされます。

「あんなもの、主婦なら誰でも作れると思っていた……」

栄養バランスを考え抜かれた妻の献立が、いかに贅沢なものだったか……。自分で台所に立ってみても、冷蔵庫の中の食材をどう組み合わせればいいのかわかりません。炊飯器の使い方すらわからず、結局弁当に戻ります。

耐えかねた安田さんは、近所に住む長女に電話をかけました。

「たまには飯でも作りに来てくれ。洗濯機の調子も悪いんだ」

しかし、返ってきたのは、思いもよらぬ厳しい言葉でした。

「お母さんを家政婦みたいに扱ってきたのはお父さんでしょ。今度は私にやってもらおう、なんて考えないで。自分のことは自分でやってよ」

言葉を失う安田さんに、娘は続けました。

「お父さん、自業自得よ。お母さんがどれだけ働きたいって言っても、『女は家にいろ』って封じ込めたのはお父さんでしょ」

受話器を置いた安田さんは、しばらく動けませんでした。自分が築いてきたと思っていた「幸福な家庭」は、妻の忍耐と献身の上に成り立っていたことに気づかされたのです。