港区の新築マンション、BMWの最新モデル、海外旅行を楽しむ妻と娘――。当時の町田さん(仮名)の生活は、まさに誰もが憧れる成功者の夢そのものでした。しかし、その華やかな生活の裏には、残酷な現実が隠されていました。投資で築いた富は、いつしか底をつき、月々の支払いに追われる日々。定年を迎えた今、老後への不安は現実のものとなっています。なぜ彼は転落してしまったのか、そして同じような状況に陥らないために学ぶべき教訓とは何か、FPの青山創星氏が解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
港区マンションに住みBMWを乗り回す…資産8,000万円達成で有頂天の50代大手営業マン。“最高の暮らし”の果てにたどり着いた「残酷な老後」【FPの助言】
家族に真実を告白、生活再建への険しい道のり
とうとう町田さんは妻にすべてを打ち明けました。妻は、当時をこう振り返ります。
「家を売ると夫が言い始めたときから、心のどこかで最悪の事態になるかもしれないという予感はありました。でも、“とにかく住宅費を下げれば何とかなる”“また豊かな生活に戻れる”という話を信じたいという気持ちもあったんです」
結果は恐れていたとおりになりました。ですが、「いい生活をさせてもらって自分も喜んでしまった。夫を止められなかった」という反省もあり、家族一丸となって生活を立て直すことを決意したといいます。
町田さんはBMWを手放し、電車を使うように。また、継続雇用中のため副業には制限がありましたが、会社に相談したうえで休日・一定時間の仕事だけは認められたといいます。専業主婦だった妻は、スーパーなどのアルバイトを掛け持ち。夜間も働くなどして、月18万円ほどの収入を得ているといいます。
基本の生活費は月25万円を目標に、可能な限り削減。FX損失確定後に残った500万円と車の売却で得たお金を、生活の立て直しと今後の備えとして確保しました。
「娘には奨学金を借りてもらっています。本当に申し訳ない。自分たちの老後は慎ましく。私は身体が動く限りは働き続けるつもりです」