内閣府「令和5年版高齢社会白書(全体版)」によると、高齢者(65歳以上)の持ち家率は87.4%でした。およそ9割近い高齢者がマイホームを所有している状況ですが、実はそのなかに「マイホームなんて買わなければ良かった」と後悔している人もいるようです。現役時代は社宅で暮らし、定年後に家を買ったとある夫婦の事例をもとに、「老後の住まい選び」の注意点をみていきましょう。
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もう限界…〈年金月24万円〉〈貯金5,000万円〉社宅暮らしでお金を貯めた60代夫婦、定年後に“念願のマイホーム”を購入→10年後に待ち受けていた後悔
AB夫妻の「住み替え」家計に問題はないか
では最後に、AB夫妻が検討している住み替えについて考えてみましょう。
AB夫妻はそれぞれ75歳と74歳で、現在の貯金は約3,000万円とのこと。また、毎月の生活費は月24万円の年金でやりくりできているため、残った貯金で医療費や介護費用は問題なさそうです。
10年前の時点で築40年だった物件は、10年経過して築50年になっています。とはいえ、周りの生活環境が整っていたり、部屋が綺麗であったり、住まいとして魅力的であれば売却は可能です。
さらに近年、インフレの影響もあり不動産価格が上昇しているため、購入時とほぼ同額での売却が可能でした。
一方、10年前と同程度の予算・条件で住み替え先を探すのは難しいため、子どもとも相談しながら、場合によっては賃貸や老人ホームなど、持ち家にこだわらず柔軟に考えてもよいかもしれません。
住まい次第で「幸せな老後」となるか「後悔の日々」となるか、選択を誤ると人生の満足度が大きく変化します。将来後悔をしないためにも「老後の住まい選び」は慎重に、時間をかけて吟味したいものです。
武田 拓也
株式会社FAMORE
代表取締役