社宅生活で倹約→念願のマイホームを手に入れた夫婦

「いつか自分たちのマイホームを……」

その思いを胸に30年以上にわたり社宅で暮らしてきたとある夫妻。夫のAさん(65歳)は中堅メーカー勤務、妻のBさん(64歳)は専業主婦でした。

妻Bさんの徹底した家計管理に加えて、家賃の負担が軽い社宅生活を続けたことで、Aさんの退職時点で夫婦には約5,000万円の貯金がありました。また、二人の年金受給額は月24万円ほど。

これまでの倹約生活により「24万円もあれば年金だけで暮らしていけるはず」と、ついに念願の持ち家の購入を決心します。

そんな二人が見つけた物件は、団地のリノベーション済み物件。価格は1,500万円で築年数は40年、5階建て・エレベーターなしの4階でした。

エレベーターがないため1階もしくは2階を第一希望としていましたが、仲介業者の担当いわく「満室でいつ空くかわからない」とのこと。

二人は迷いましたが、「内装がフルリノベーションされていてきれい」「駅から徒歩圏で利便性抜群」「マンションの敷地内に公園がある」という点に惹かれたほか、約1,500万円という価格も魅力でした。

結局、「家を買うつもりなのに、わざわざ家を借りて家賃を払うのはもったいない」「年を取って賃貸暮らしだと子どもが心配する」と考え、購入を決めたそうです。

しかし入居から10年が経ったいま、夫婦は深い後悔を口にします。

第一の誤算は、築古ゆえの管理費と修繕積立金でした。管理費や修繕積立金はインフレの影響もあって値上がりし、気づけば年間の支払いは40万円近くに。年金生活者にとって、その負担はボディーブローのように家計を圧迫します。

第二の誤算は、管理組合の機能不全です。住民は高齢化しており、総会に出席する人はほとんどいません。重要な修繕の可否や依頼先が決まらず、廊下の照明や公園の手入れひとつに何ヵ月もの議論が必要だったといいます。