多くの親は、わが子になるべく十分な教育を受けさせたいと考えるもの。とはいえ、子ども1人にかかる教育費は約1,000万円~約3,000万円と大きく、また公立・私立どちらに進学させるかによってその金額は大きく変わります。今回は、わが子の「中学受験」を視野に入れる30代夫婦の事例から、教育費の備え方と資産形成のポイントをみていきましょう。ファイナンシャル・プランナーの三藤桂子さんが解説します。
子どもを「中学受験」させたい…愛するわが子の「教育資金」確保に励む30代夫婦の事例【みんなが資産形成をはじめたきっかけ】 (※画像はイメージです/PIXTA)

子の誕生は「資産形成」の大きなきっかけに

 

2組の事例に共通しているのは、「中学受験を選択することで、教育費が長期にわたって発生する」という点です。

 

授業料の無償化が進んでいるとはいえ、中学から大学まで私立に通わせる場合、教育費は最低でも10年間にわたってかかります。さらに、小学校3〜4年生頃から始まる受験準備や受験費用などを含めると、約15年間、平均して年間120万円以上の教育費を用意する必要があります

※文部科学省「令和5年度子供の学習費調査の結果を公表します」「初年度学生納付金の調査結果概要」を参考に筆者算出

 

たとえ公立中学に進学する場合でも、塾や習い事などにかかる費用は家庭によって差がでるため、早い段階から準備するに越したことはありません。

 

加えて、塾への送迎やお弁当の準備など、年齢に応じた配慮が必要となる場面もあるでしょう。こうした「プラスα」の負担が、生活面だけでなく、家計にも影響する可能性があります。

 

公益財団法人生命保険文化センターの調査「教育費が家計に与える影響は?」によると、世帯年収に占める在学費用(子ども全員にかかる教育費の合計)の割合は、平均約15%でした。教育費の負担が大きいこの時期に、マイホーム購入などの大きなライフイベントが重なる場合もあるでしょう。したがって、家計がひっ迫しないためにもできるだけ早く資産形成に取り組みたいところです。

最適な「教育環境」をプレゼントするために

後日談として、Aさん、Bさんからそれぞれ下記のようにコメントをいただきました。

 

Aさん:「共働きで“パワーカップル”といわれるよう頑張っていますが、2人で家計を支えているからこそ、働けなくなったときのリスクに備える必要性を感じました。子どもの年齢に合わせて、教育費の貯蓄を進めていきたいと思います」

 

Bさん:「起業したばかりですが、まだ子どもが小さいので、いまから教育費の積立を始めれば受験期に間に合いそうです。自分になにかあったときの備えは、早めに始めておかなければと痛感しました」

 

今回は、働き方の異なる2組の夫婦の相談ケースを紹介しました。共通していたのは「愛するわが子に、できるだけ早く、十分な教育環境を整えてあげたい」という思いです。

 

このほか、子どもが複数いる場合や、マイホーム購入を検討しているなど、人生にわたってまとまったお金が必要になる場面はたくさんあります。したがって、資産形成をはじめるタイミングは早いに越したことはありません。

 

たとえば、学資保険であれば、子どもが生まれたタイミングで加入することで、成長にあわせて積み立てが増えていく実感が得られます。積立型の投資を選ぶ場合は、給与が上がったタイミングで積立額を増やすことで、モチベーション維持につながります。

 

適宜専門家に相談のうえ、「無理なく」「計画的に」資産形成を進めていきましょう。

 

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

 

 

三藤 桂子

社会保険労務士法人エニシアFP

代表