円安進行や物価高の影響もあり、輸入車の高級化が進んでいます。一方、中古車市場を見てみると、「あの高級車がこの値段で買えるの!?」と驚くことも少なくありません。ただし、安くなった中古輸入車に乗り続けるには「覚悟」が必要です。約100万円で、憧れの“輸入車ライフ”を手に入れた50歳男性の事例をもとに、中古輸入車を所有する際の注意点をみていきましょう。
なにかの間違いでは…「100万円の中古輸入車」を購入した年収450万円・50歳サラリーマンの末路【CFPが警鐘】
“バラ色の輸入車ライフ”に突如訪れた終わり
しかし、現実はそう甘くありません。
保険にガソリン代、税金と、これまで約10年乗っていた国産コンパクトカーと比べすべてが高額で、着実に家計を圧迫していきます。
そしてトドメは、メンテナンス費用です。ある日、愛車の変速ショックが気になったKさんはディーラーに相談。車を預けた数日後、担当者から数十万円の見積書が届いたのでした。
「なにかの間違いだろ……? もう一台クルマが買える値段じゃないか」
そして、ここでようやく我に返ったKさん。実は輸入車を購入して以降、それまでの生活スタイルが変化。車に乗る楽しさからドライブの頻度も増え、またそれに伴って外食や買い物といった支出が増えていたのでした。
これにより車のために老後資金として貯めていた貯蓄を取り崩すこともあり、預金残高は車を乗り換える前よりも少なくなっていたのです。
「ここらが潮時かもな……」
あの高級車がこの価格で!?“中古輸入車”の落とし穴
中古の輸入車、特に年式が古いものであれば、「新車価格の10分の1以下」で買えるモデルも少なくありません。
しかし、価格が下がっているのにはいくつか理由があります。そのひとつが「維持コスト」の問題です。
輸入車と国産車の維持コストの違い
まずあげられるのが、修理・部品代の高さです。輸入車は専用部品の使用が多く、国産車と比べて部品価格が高い傾向があります。さらに、輸入部品は国内に在庫が少ないため、部品代に加えて取り寄せ送料が上乗せされることも。近年の円安の影響もあり、海外からの部品調達コストは増すばかりです。
また、自動車税や車検の際に徴収される「税金」も考慮する必要があるでしょう。税金は排気量によって異なりますが、特に古い輸入車は大排気量の車種が多いため、注意が必要です。
さらに、新車登録から13年経過したモデルの自動車税(種別割)は、通常の税金に約15%の重課が適用されます。そのため、重課後は年間で数万円の負担増になることも珍しくありません。さらに自動車重量税も13年経過で0.5tあたり4,100円から5,700円に1,600円増額され、車検時の負担が増します。
これらは毎年の固定費として家計を圧迫し、資産形成に悪影響をおよぼすでしょう。
そのほか、保険料の違いにも注意が必要です。輸入車は、車両保険の料率クラスが国産車に比べて割高といわれています。輸入車の部品は高価で、修理費が国産車の1.5~2倍以上かかるケースも多く、保険会社はリスクを高く評価します。そのため同等の条件でも国産車と比べて年間数万円の保険料が上乗せされ、また事故時の自己負担額も大きくなりがちです。
中古輸入車は「安く買える理由」をひとつずつ洗い出し、購入後にかかるコストまで含めて冷静に判断する必要があるのです。