「相続時精算課税」のメリット・デメリット

じつは、生前贈与にはもうひとつ「相続時精算課税」という方法があります。これは、平成15年(2003年)に施行された制度です。60歳以上の親または祖父母から18歳以上の子供、または孫へ贈与する際に利用できる制度で、贈与者ごとに累計2,500万円相当の金品まで贈与税がかかりません。

また、令和6年(2024年)より年間110万円の基礎控除が新設され、この部分については累計する必要がなくなりました。

2,500万円ということは、「暦年課税」のおよそ25年分に当たりますから、こちらを選んだほうがずっと得のような気がします。しかし、そう考えるのは尚早で、この「相続時精算課税」にはいくつかの大きなデメリットがあるのです。

たとえば、このときに贈与された財産は先ほど説明した基礎控除までの金額を除き、相続財産に加算されます。相続時精算課税という名称は、この事実に由来しているというわけです。

また、いったん相続時精算課税を選択してしまった場合、暦年課税に戻せません。つまり、選択は慎重に考える必要があるのです。

ちなみに、将来値上がりが確実視されている財産(土地や株券)がある場合、この相続時精算課税を利用すべきといわれますが、先行き不透明な時代ですから注意が必要でしょう。

保坂 隆

保坂サイコオンコロジー・クリニック院長