お金に余裕がない…訃報にどう対応する?

年をとると、訃報に接する機会が増えるのはしかたがないことでしょう。

不幸があったのを知ったときには、不義理をしないようにと、故人が多少縁遠い人でも香典を包むケースが多いのではないでしょうか。

もちろん、金銭的に余裕がある場合はそれでよいかもしれません。けれど年金生活になり、「少しでも出費を抑えたい」と日々悩んでいるのなら、だんだんと対応のしかたを変えていくべきです。

たとえ義理が果たせても、それが自分の生活を圧迫するのなら考えなければならないでしょう。

その方法はいろいろあります。いちばん簡単なのは、香典の金額を減らすことでしょう。

「金額を減らすなんて、そんな失礼なことはできない!」と世間体を気にする人が多いようですが、本当に大切なのは香典の金額ではありません。個人に対する最大の弔意は、お通夜や告別式に出向くことです。ですから金額にはあまりとらわれる必要はないのです。

また、葬儀のおこなわれる場所が遠い場合などは、交通費や宿泊費もばかになりません。

逆に近くても体力的に厳しい場合もあります。香典を誰かに託したり、郵送したりするのも一案です。ただし、その際は必ず一筆添えるのが礼儀でしょう。

葬儀参列の「お断りの手紙」を書くポイント

手紙を書く習慣が少なくなった現代では、この「一筆」が高いハードルに感じられる人も少なくないかもしれません。でも、礼状などに比べて、お悔やみの手紙は定型を踏まえれば比較的簡単です。

いくつかポイントがあるので、書き方を覚えておきましょう。

・「拝啓」~「敬具」といった頭語や結語は書かない。季節の挨拶も不要。

・「このたびはご愁傷さまでございます」「御母堂様の訃報に接し、心からお悔やみ申し上げます」など、お悔やみの言葉から始める。

・弔問に行けないことを詫びる一文を書く。その際、行けない理由を長々と書く必要はない。「やむを得ない事情で……」「どうしても都合がつかず……」のような曖昧な表現でよい。

・「どうぞお力落としのないように」といった、遺族をいたわる一文を添える。

・便せんも封筒も柄のない白一色のものを選び、封筒は内側に別の紙がついている二重封筒は用いない(不幸が重なるという意味合いから)。

このポイントさえ押さえておけば、あまり難しく考える必要はないのです。

そして最後に、葬儀に参列もできず、香典も本当に少なめにしか出すことができないけれど、ご縁は切りたくない、できるだけのことをしたいという場合はどうしたらいいのでしょうか。

そんなときは、お香そのものを送るという方法もあります。もともと「香典」は、お香の代わりに霊前に供えるものですから、お香そのものを送るのは理にかなっています。

進物用のお香は1,500円前後から1万円程度までいろいろとそろっていますし、金包みの3,000円とお線香の3,000円を比べると、お香のほうが心がこもっているように感じられる場合もあります。いずれにしても、こうしたおつきあいには「これが正しい」というものはありません。

あくまで自分のできる範囲でよいのです。何よりも大切なのは、相手に弔意が届くことです。

保坂 隆

保坂サイコオンコロジー・クリニック院長