「ひとり老後」の孤独を癒してくれるのが、友人やご近所さんとのお付き合い。いつまでも良好な関係を保つためには、日頃のお茶やお食事の場面での細やかな心遣いが欠かせないと著者の保坂氏は語ります。本記事では、保坂隆氏の著書『楽しく賢くムダ知らず 「ひとり老後」のお金の知恵袋』(明日香出版社)より、一部を抜粋・編集し、定年後のご近所付き合いの心得を解説します。
銀座のフレンチで唖然…“テーブルで自分の支払い分を計算”はなぜカッコ悪い?老後の人間関係を円滑にする鉄則は「スマートな割り勘」
ご近所のつきあいは「スマートな割り勘」が鉄則
ご近所同士の男性と女性がお茶を飲んだり、食事をしたりしたとしましょう。恋人とか夫婦という関係なら話は別ですが、ただの友だちや知り合いならば、自分が食べたものは自分で支払うのが当然でしょう。
なかには、そうしたシチュエーションでは男性がお金を支払うのが当然と思っている人もいるようですが、そうした関係からは「対等な人間関係」は生まれにくいと考えるべきだと思います。
ご近所同士に限らず、老後の友だちづきあいは割り勘が鉄則ですが、割り勘のしかたは簡単なようで、案外難しいものです。だからこそ「割り勘はスマートに」を心がけるのは大人のマナーといえるでしょう。
男性と女性で食事をした場合は、お店の格にもよりますが、女性がそれなりのお金を男性に手早く渡し、「お会計、お願いできますか」などといえばスマートでしょう。あるいは小声で「ここはいったん、お願いします。外で精算させていただきますね」といって頼む方法もあるでしょう。
お金の支払い方にその人の「品性」が宿る
先日、銀座にある高級フランス料理店でランチをしたときのこと。こうしたお店のランチタイムには、中年以上の女性が連れ立って食事を楽しんでいる姿をよく見かけますが、その日はさすがに唖然としてしまいました。
どうしてかというと、テーブルの上でそれぞれが財布を片手に、携帯電話の計算機を使って、自分が支払う分を計算し始めたからです。決して安くはない金額ですから真剣になる気持ちもわからないではないですが、まだほかにランチを楽しんでいるお客もいるのです。
これはスマートではないを通り越して、あまりにカッコ悪いことではないでしょうか。お店の人も、困惑の表情を隠しきれない様子でした。こうした格式のあるレストランや料亭などでは、誰かひとりがまとめて支払い、別の場所で精算するのがスマートでしょう。
一般的なレベルのレストランならレジに行き、「会計は一人ひとり、別々にしてください」と声をかけ、自分が食べたものを言えば、ちゃんと対応してくれるはずです。
人数が多い場合や、誰が何を何杯飲んだかわからなくなってしまった場合は、「ひとり3,000円ずつ」などと大ざっぱな割り勘方式でいいと思います。細かなお釣りが出たら、飲む量が少なかった人に「あまり飲んでいないようだったから」と渡して終わり!これでよしとしましょう。あるいは、レジ横に寄付金箱があったら、そこに入れるのもいいかと思います。
お金の支払い方には、その人の心遣いや品性があらわれます。「さすがにベテランは違うな」と言われるような、スマートな支払い方をしたいものですね。
保坂 隆
保坂サイコオンコロジー・クリニック院長