役職定年から3年…「老後破綻の危機」から脱した斉藤さん夫妻が手にした"希望"

役職定年から3年が経った今、斉藤さん夫妻の家計は着実に立て直しつつあります。毎月5万円の貯蓄目標は習慣化し、3年間で180万円の貯蓄を作ることができました。

斉藤さんは、58歳になった今も同じ会社で働き続けています。60歳以降の働き方についても、すでに会社と交渉を始めています。再雇用の条件を確認し、厚生年金に加入できる働き方を選ぶつもりです。

「60〜65歳の5年間も、できるだけ厚生年金に加入し続ける。それが老後の安心につながる」

恵さんもパートを続けながら、将来は年金を繰り下げ受給することも検討しています。

斉藤さん夫妻のケースから学べることは明確です。役職定年で家計の綻びが露呈したときこそ、夫婦が現実を共有し、55〜65歳の10年間をどう過ごすかを決めることの重要性です。この10年を「年金を最大化する期間」と位置づけ、厚生年金に加入できる働き方を続ければ、老後の安心は大きく変わります。

収入が下がっても、月数万円の積み立てを続ければ10年で500万〜1000万円の資産形成は十分可能です。役職定年は不安をもたらす出来事ですが、「老後のお金をつくり直す」絶好の機会でもあります。

55歳を迎えたあの日こそ、二人が未来を見直す転機でした。これからの10年をどう積み重ねるかが、老後の安心を左右します。

三原 由紀
プレ定年専門FP®