遺族が「もっとも知りたいこと」

まず、遺族がもっとも知りたいのは「誰に連絡すればいいのか」という点です。

現地の友人や隣人、かかりつけ医などキーパーソンをリスト化したメモが1枚あるだけで、遠隔地での初動対応は格段に楽になります。あわせて、現地の人が子どもの連絡先を把握できるようにしておくことも重要です。

また、遺言では法的効力がおよばない「葬儀の形式や納骨方法」に希望がある場合は、弁護士などの専門家と「死後事務委任契約」を結んでおくと安心でしょう。

これにより、各種行政手続きや遺品整理など、相続以外の事務全般を委任できます。遠隔地で頼れる人がいない場合や、家族に過度な負担をかけたくない場合にも有効です。

終活とは、人生の締めくくりを美しく整える営みです。最後まで自由に生きたいと願えばこそ、「立つ鳥跡を濁さず」という美学をもって、残された家族が困らないような手はずを整えておきましょう。

山原 美起子
株式会社FAMORE
ファイナンシャル・プランナー