もし働けなくなったら、私はどうなるの…綱渡りの日々

それでも生活は続きます。

60歳を前にスーパーを退職し、次に選んだのが訪問介護の仕事でした。資格講習を受け、60〜63歳まではフルタイムに近い働き方をし、厚生年金にも加入。ただ、腰痛が悪化したこともあり、65歳の現在は週3日ほどの勤務で、月約9万円の収入に落ち着いています。

この10年の生活をなんとか維持できたのは、就職した娘が、時折こっそり生活費を補ってくれていたことも大きかったといいます。プライドから「援助して」とは言えず、娘の気遣いに何度も助けられました。

一方、公的年金は、長い専業主婦期間と離婚後5年間の「全額免除」期間の影響もあり、老齢基礎年金と厚生年金を合わせて月9万5,000円ほどにとどまっています。

• 年金：月9万5,000円
• 介護ヘルパーの収入：月9万円

合計で月18万5,000円の生活です。

家賃7万円、食費2万5,000万円、光熱費1万5,000万円、通信費8万5,000円、医療費・日用品で2万円……。計算上は成り立っているように見えますが、家電の故障や冠婚葬祭などの急な出費は賄えません。相続した300万円が、今は心細いながらも最後の頼りです。

「70歳までは働きたいと思っています。でも、この腰の痛みを抱えてあと5年働けるのか……。働けなくなったら、年金だけでは到底暮らせない。そう考えると、夜眠れない日があります」

和代さんは、静かにそう語ります。